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最高裁に要望書を出し、会見で説明する中江美則さん=7日午前、京都市内
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最高裁に要望書を出し、会見で説明する中江美則さん=7日午前、京都市内

 全国で発覚した重大少年事件の記録廃棄問題を受け、2012年の京都・亀岡暴走事故で、おなかの子どもとともに命を奪われた松村幸姫さん=当時(26)=の父、中江美則さん(59)が7日、最高裁と最高裁有識者委員会に要望書を出したと明らかにした。同事故は最高裁が記録廃棄の経緯を調査している少年事件の一つ。中江さんは京都市内で開いた会見で最高裁に対し、対面での廃棄理由の説明と意見陳述の機会を求めた。

 事故は、京都府亀岡市で12年4月23日朝に発生。無免許の元少年=当時(18)=が居眠り運転する軽乗用車が、集団登校中の児童らの列に突っ込み、胎児を含む4人が死亡、7人が重軽傷を負った。

 記録が処分されていると中江さんが知ったのは、事故から丸10年が経過した22年10月。神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄が判明したのが契機となった。今年2月には、連続児童殺傷事件で次男の土師淳君=当時(11)=を亡くした父の守さん(66)が最高裁で謝罪を受けたと知り、自身には廃棄事実の連絡さえないことに憤りを感じた。今月6日付の要望書には「遺族は土師さんだけではありません」と記した。

 会見では、暴走事故の記録が、最高裁の内規で永久保存が義務付けられている「史料的価値が高い記録」とみなされなかったことにショックを受けたと説明。同事故は法改正にもつながった事案だが、「そもそも価値が高いとか低いとかを押しつけられること自体に憤りを感じる」とし、全ての事件記録を区別せず、永久保存するよう求めた。

 「せめて手を合わせて破棄してくれたのか」。悔しさをにじませた中江さんは「また新たな傷を負わされた気分だ」と時折、目を伏せながら語った。

失われた事件記録成人未満
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