神戸連続児童殺傷事件など重大少年事件の記録が各地で廃棄されていた問題で、最高裁の小野寺真也総務局長は7日の参院予算委員会で、特別保存(永久保存)された少年事件記録を今後、国立公文書館に移管する可能性を問われ、「検討する」と述べた。現在は公文書館へ移管する対象は、司法文書は民事裁判記録だけだが、少年事件にも拡大する可能性を示した。
国立公文書館に移管する司法文書は2009年、内閣総理大臣と最高裁長官の申し合わせで、対象を「歴史資料として重要な判決書等の裁判文書」と決定。しかし、実務者レベルの申し合わせでは民事事件に限って記され、少年事件は対象外となった。
この過程を踏まえ、自民党の加田裕之議員(兵庫選挙区)は参院予算委で「新しい公文書館に、歴史的な少年事件の記録を収める可能性はあるか」と質問。最高裁は、少年事件記録を含む記録の適切な保存の在り方を検証中で、小野寺総務局長は「内閣府や公文書館と相談し検討していく」と答えた。
国会前庭に建設する新国立公文書館は2028年度末の完成を予定し、建設を推進する超党派議員連盟は今年2月、歴史的に重要な裁判記録を永久保存するルールの整備を検討する方針を確認。研究者やジャーナリストらでつくる団体も同1月、最高裁への請願書で、公文書館への移管を少年事件にも広げるよう求めた。
また、意見を求められた斎藤健法相は「歴史的価値が高く、調査研究の重要な参考資料として保存されるべき記録があると認識している。裁判所の取り組みを見守りたい」と述べた。
最高裁は全国で廃棄されたり、永久保存されたりした重大少年事件や民事裁判の記録計約100件の経緯などを調べ、4月をめどに報告書をまとめるとしている。小野寺総務局長は最高裁としての調査検討を終えてから、事件記録を廃棄された被害者遺族らへの報告をはじめ、対応を検討する考えを示した。
【少年事件記録の廃棄問題】1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件をはじめ、重大な少年事件の記録が全国各地の家庭裁判所で廃棄されていた問題。少年事件の記録は審判の処分決定書に加え、検察や警察による供述調書、精神鑑定書、家裁調査官の報告書など。一般的な少年事件の記録は、保存期間が原則「少年が26歳に達するまで」と定められ、それを過ぎると廃棄される。ただし、最高裁は内規で、史料的価値の高い記録は永久保存(特別保存)するよう定めている。
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