神戸新聞「読者の報道写真コンテスト」年間賞表彰式が１０日、神戸新聞社で開かれた。２０２２年は４５００点の応募があり、兵庫県稲美町の大西敏晴さん（７２）が撮影した「おかえり」が最優秀賞に選ばれた。

　大西さんが稲美町の田んぼに飛来したコウノトリを撮影していると下校中の小学生が通りかかった。児童がほほ笑む様子に引かれてシャッターを切り、偶然に繰り広げられるほのぼのとした場面を作品に仕上げた。大西さんは「これまで人物を正面から撮影したことは少なかったが、受賞を機会にこれからもっと挑戦したい」と喜びを語った。

　優秀賞の木藤将人さん（５１）＝丹波篠山市＝の「星降る夜」は、厳冬の氷ノ山（養父市、標高１５１０メートル）で、「スノーモンスター」と呼ばれる樹氷群と流れ星を一枚に収めた。努力賞は川口勉さん（６２）＝西宮市＝が撮影した「電波塔群に昇る朝日」で、生駒山山頂付近の電波塔と朝日を絡めた構図に加えて、太陽が昇る瞬間などに見えるグリーンフラッシュも写し込んだ。奨励賞は、牛が出産する場面にレンズを向けた〓橋秀治さん（４３）＝神戸市西区＝の「新たな命」が選ばれた。

（注）〓は「高」の異体字「はしごだか」