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コロナ特例貸付の免除決定通知を手にする男性。「年末は所持金が本当になくなってね。情けないけど」=神戸市灘区(画像の一部を加工しています)
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コロナ特例貸付の免除決定通知を手にする男性。「年末は所持金が本当になくなってね。情けないけど」=神戸市灘区(画像の一部を加工しています)

 兵庫県内の社会福祉協議会は今年4月から、生活困窮者への支援体制を強化する。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、公的な貸付制度に頼る家庭が急増。困窮世帯の経済的な自立に向け、生活相談や就労など息の長い支援が必要と判断した。県内に50ある市区町社協に専門職員を配置し、まずは実態把握に努める。

 政府はコロナ禍の経済支援策として、低所得者向けの貸付制度「生活福祉資金」を活用。コロナ特例で利用要件が緩和され、最大200万円まで借りられるようになった。

 各社協が窓口となり、昨年9月までに県内で貸し付けられたのは約20万件、約806億円と、リーマン・ショック時(2009年)の約40倍に上る。うち約13万件の返済が今年1月から始まったが、うち約4割が住民税非課税のために免除となった。

 県社協の杉田健治事務局次長は「困窮世帯の増加ぶりは予想をはるかに上回っていた。返済を促すだけでなく、返済できない理由にも目を向けたい」と指摘。各市区町社協に「ほっとかへんネットワーカー」と名付けた担当者を1人以上配置する計画だ。

 全員の返済が終わる34年まで相談、訪問、就労支援など地域の実情に応じた取り組みを実施。地元の支援団体や福祉施設との連携を強化し、貸付金を利用していない困窮世帯にも目を配る。

 伊丹市社協はすでに特例貸付の利用者に暮らしの実態や課題などを尋ねるアンケートを実施。南あわじ市社協は食材を配布し、相生市社協は就労支援にあたっている。

 杉田次長は「特例貸付で見えてきた生活困窮は氷山の一角。見逃さないための体制づくりを急ぎたい」としている。

【コロナ特例貸付】新型コロナウイルス感染拡大の影響で減収した世帯に、無利子で最大200万円を貸し付けた制度。原資は国が拠出。2020年3月から始まり、22年9月末に終了した。利用は全国で約381万件、約1兆4447億円。

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