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最高裁判所=東京都千代田区
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最高裁判所=東京都千代田区

 全国で重大少年事件記録が廃棄されていた問題で、最高裁有識者委員会(座長・梶木寿元広島高検検事長)は記録保存の在り方について、2012年に起きた京都・亀岡暴走事故の被害者遺族の中江美則(よしのり)さん(59)から意見を聴取することを決め、代理人弁護士に14日に伝えた。中江さんは聴取を求める要望書を出していた。有識者委は、神戸連続児童殺傷事件で次男の土師(はせ)淳君=当時(11)=を亡くした父、守さん(66)からも2月に聴取している。

 最高裁によると聴取は今月16日の予定。有識者委の3人の委員ではなく事務局が対応し、次回会合の27日に委員に報告するという。

 12年4月23日朝に発生した暴走事故では、無免許の元少年=当時(18)=が居眠り運転する軽乗用車が集団登校の列に突っ込み、胎児を含む4人が死亡、7人が重軽傷を負った。娘の登校に付き添っていた松村幸姫(ゆきひ)さん=同(26)=は妊娠7カ月のおなかの子とともに命を奪われた。松村さんの父の中江さんは、神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄が判明後、報道関係者から暴走事故の事件記録も処分されていると聞いた。

 同事故は法改正にもつながった重大事案だが、中江さんは、最高裁の内規で永久保存が義務付けられている「史料的価値が高い記録」とみなされなかったことにショックを受けたという。

 有識者委は6人の意見聴取を終え、既に再発防止策の議論に移行しているが、中江さんの要望を重く受け止めた形。中江さんは「事件記録には犠牲者の声なき声が詰まっている。同種の事件を防ぐためにも、全件保存するよう訴えたい」としている。(霍見真一郎)

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