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横断幕を掲げて裁判所へと向かう住民関係者ら=神戸市中央区橘通2、神戸地裁
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横断幕を掲げて裁判所へと向かう住民関係者ら=神戸市中央区橘通2、神戸地裁
神戸地裁=神戸市中央区橘通2
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神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 神戸製鋼所の石炭火力発電所(神戸市灘区)増設を巡り、周辺住民らが同社や関西電力など3社に稼働差し止めなどを求めた訴訟の判決が20日、神戸地裁であり、高松宏之裁判長は住民らの請求を棄却した。

 住民らは2018年9月、発電所からの二酸化炭素(CO2)大量排出による地球温暖化や大気汚染が「生命・身体などの人格権を侵害する」と訴えて提訴した。神鋼側は、地球温暖化は地球全体に及ぶ問題で「自分だけの権利として行使できない」と請求権を否定するなど争っていた。

 高松裁判長は原告側が地球温暖化による被害として人格権侵害を主張したことは否定しなかったが、「現時点で具体的危険が生じていると認められない」と判断した。同発電所のCO2排出は地球規模のエネルギー起源排出量の0・02%にとどまるとも指摘し、原告らが被る恐れがある被害との関係性は「極めて希薄と言わざるを得ない」とした。

 その上で「CO2排出削減方法の選択や決定は、本来的に政策的観点から民主制の過程で行われるべきもの」と述べ、国会の対応に委ねた。大気汚染についても、建設・稼働で生命身体への具体的な危険があるとは認められないとした。

 判決後の会見で、原告側の池田直樹弁護団長は「気候変動の危機を一生懸命訴えたが、危機の切迫感が裁判所に伝わらなかった」と述べた。神戸製鋼所は「当社の主張が認められたと理解している」とコメントした。

 神戸製鋼所の石炭火力発電所を巡っては、増設を巡る環境影響評価(環境アセスメント)を認めた経済産業相の確定通知取り消しを求める行政訴訟も行われ、3月9日付で原告敗訴の二審判決が確定していた。

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