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「保存期間が満了した事件記録等の廃棄留保について」と題された連絡文書=神戸新聞社
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「保存期間が満了した事件記録等の廃棄留保について」と題された連絡文書=神戸新聞社

 坂田記念ジャーナリズム振興財団(大阪市、赤木攻理事長)は20日、関西を拠点にした優れた報道活動を表彰する第30回坂田記念ジャーナリズム賞を発表した。新聞の部では神戸連続児童殺傷事件の記録廃棄などを巡る神戸新聞社の一連の報道と、点字新聞創刊100年に合わせた毎日新聞社の企画報道が選ばれた。

 放送の部では、がん免疫治療薬「オプジーボ」を巡る訴訟を追った毎日放送の「研究者法廷に立つ~特許の対価を問う理由~」、NHKBS1スペシャル取材班の「“紅い思想教育”習近平総書記三選の礎」の両番組が受賞した。

 特別賞には、読売新聞大阪本社の企画連載「京都力」と、三重テレビ放送の番組「十人十色~多様性の中で生きる」が選ばれた。表彰式は28日に大阪市内で開かれる。

 本紙報道部の取材班は、1997年に児童2人が殺害された神戸連続児童殺傷事件で、当時14歳で逮捕され、少年審判を受けた「少年A」に関する全ての事件記録が廃棄されていたことを、昨年10月20日付朝刊でスクープした。

 さらに、2004年に長崎県佐世保市で起きた小6女児殺害事件の記録の廃棄なども続けて報じた。最高裁は内規で、史料的価値が高い記録の永久保存を義務づけていたにもかかわらず、各地の家裁で重大少年事件の記録が捨てられていた事実を明らかにした。

 被害者遺族や弁護士、学識者らを通じて、少年法を改正する契機にもなった連続児童殺傷事件の記録が失われた衝撃や意味なども詳報。報道が広がると、最高裁は記録廃棄の一時停止を全国の裁判所に指示した。また、同事件で記録が廃棄された経緯などを調査し、今後の事件記録保存の在り方を検証している。

失われた事件記録神戸新聞社
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