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通称名が記載された学位記を手に、振り袖姿で同級生と門出を祝う久保明日香さん=24日午後、神戸市灘区、神戸大学(撮影・吉田敦史)
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通称名が記載された学位記を手に、振り袖姿で同級生と門出を祝う久保明日香さん=24日午後、神戸市灘区、神戸大学(撮影・吉田敦史)
通称名で書かれた学位記を手に、同じ研究室の卒業生らと喜び合う久保明日香さん(中央)=24日午後、神戸市灘区鶴甲1、神戸大学(撮影・吉田敦史)
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通称名で書かれた学位記を手に、同じ研究室の卒業生らと喜び合う久保明日香さん(中央)=24日午後、神戸市灘区鶴甲1、神戸大学(撮影・吉田敦史)
通称名で書かれた学位記を手に、同じ研究室の卒業生らと喜び合う久保明日香さん(左から2人目)=24日午後、神戸市灘区鶴甲1、神戸大学(撮影・吉田敦史)
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通称名で書かれた学位記を手に、同じ研究室の卒業生らと喜び合う久保明日香さん(左から2人目)=24日午後、神戸市灘区鶴甲1、神戸大学(撮影・吉田敦史)
通称名で書かれた学位記を手に、同じ研究室の卒業生らと喜び合う久保明日香さん(中央)=24日午後、神戸市灘区鶴甲1、神戸大学(撮影・吉田敦史)
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通称名で書かれた学位記を手に、同じ研究室の卒業生らと喜び合う久保明日香さん(中央)=24日午後、神戸市灘区鶴甲1、神戸大学(撮影・吉田敦史)

 自認する性に合わせ、「通称名」で大学院生活を送ってきた久保明日香さん(26)が24日、神戸大学(神戸市灘区)の大学院を修了した。在学中は、自身を含む性的少数者の学生が過ごしやすいよう努め、大学が通称名使用を全学部で認めるきっかけをつくった。自ら選んだ紫色の振り袖で「明日香」と記された学位記を受け取り、仲間と新たな一歩を祝った。(久保田麻依子)

■「自分は病気扱いなのか」

 久保さんは奈良県出身。幼い頃から「男性」であることに違和感があった。東京の大学に通っていた19歳の時、トランスジェンダーであることを初めて友人に打ち明けた。「拒絶されるのではないか」。手が震えたが、信頼の置ける仲間たちはすぐに受け入れてくれた。そこから戸籍上の名前と、故郷の名に由来する「明日香」を使い始めた。

 2021年、神戸大大学院国際文化学研究科に進んだ。夏ごろ、学生証や証明書に通称名が使用できないか大学事務局に相談した。しかし前例が少ないためか「診断書が必要」と回答された。「自分は病気扱いなのか」。ひどく落ち込んだが、担当教授が教授会に諮るなどしてくれ、同9月、特例として認められた。

 久保さんは翌月、学生有志と「みんなの神大実現プロジェクト」を設立。通称名の使用を全学部で使用できるよう求めたり、LGBTへの理解を広げるイベントに参加したりした。

■内定先の企業でも理解

 大学は22年9月に「多様な性・ジェンダーに関する基本方針とガイドライン」を制定。大学生活で通称名が使えることを明文化し、性的少数者の学生らへのサポート体制をまとめた。

 ガイドライン制定後、初めて迎えたこの日の卒業式。メークは友人が引き受けた。紫の生地に白とピンクの花柄をあしらった振り袖は「色合いがすてきで、一目見て決めた」。着付けは店側が全面協力。ヘアセットは華やかに仕上げてもらった。

 内定先の企業に通称名の使用を相談した際、大学での実績が後押しになり、理解を示してくれたという。笑顔で門出を迎えた久保さんは「自分のように悩みを抱えたり、支援へのアクセスを必要としたりする学生の力になれていたらうれしい」。同プロジェクトは今後も通学定期に必要な証明書の性別欄廃止を求めるなど活動を続ける。

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