「何とかしなければ、子どもたちにも先生にもよくない」-。こんな危機感から教職員が立ち上がり、今春から「常識」を打ち破る大改革を予定している小学校がある。「担任の先生、やめます」「教科担任制、始めます」「下校時間、繰り上げます」-。なぜ、今? その舞台裏を聞きに行った。(鈴木久仁子)
川西市立多田小学校(兵庫県川西市多田院1)。西門隆博校長(54)が、きっかけとなる出来事にぶつかったのは昨年春のことだ。ある学年の担任が新学期早々に産休に入り、欠員が出た。通常ならば市教育委員会から補充の人員が来るはずが、昨今の人員不足で待てど暮らせど補充はなし。仕方なく、教頭や隣のクラスの先生が面倒を見ることになったが具合が悪い。
「小学校において担任の先生と児童は密接で『うちのクラス』の意識で1年を過ごす。突然、抜けてしまうと穴は大きい」と西門校長。それだけに「担任」への期待と負担は大きく、何かと「良いも悪いも『担任がいないから』『いるから』『良い先生だから』『悪い先生だから』となりがちな側面は否めない」という。
新型コロナウイルス感染で欠勤者も相次いだ。長期の補充がこない事態はきっと再び、やって来る…。
ならばいっそ、担任制をやめて学年担任制にしてはどうか。学年の先生みんなで見ることにすれば、たとえ1人が抜けても子どもや保護者への影響が均質化する。教職員間で「どんな体制がよりよい成長につながるのか」と議論が始まった。
特に担任制の廃止には賛否両論があり、紛糾した。「一部の先生に負担がいくのでは」「子どもが戸惑う」「互いに合わないこともあるので歓迎」「問題を抱え込まず、ほかの先生に相談できる」などさまざまな意見が出た。西門校長は「長年の『あって当たり前』を変えることは不安があり、勇気がいる。でも最後は少数意見も尊重し、さらにいいものをつくろうとまとまった」と話す。
また「中学校のように教科担任制にすれば、授業準備科目が少なくなるし、各クラスを回るようになり、全クラスの様子が分かる。担当のクラスは定期的に変えていくことにした」。
そうなると、成功の鍵になるのは「学年内で密に情報交換をする時間」。新しい教育課程では、1単位時間を45分から40分に短縮、午前中に5時間授業をすることにした。コマ数を増やし、規定の時間を満たす時間割を組み、下校時間も繰り上げた。少し、余裕ができたところで教職員は互いの資質を上げ、児童らの共通理解に充てることが求められることに。
地域やPTAではすでに、放課後の受け皿の開始時間を繰り上げるなど検討をしているという。
2月に行われた保護者説明会では「困ったときに誰に相談していいのか分からない」「学力は落ちないのか」などの声も出たが、学校側は「学年の成長に合わせ導入していく。多面的に情報共有し、見ていくので、どの教員でも対応できるようにします」と答え、おおむね賛同を得た。
校長はこの挑戦を「教職員の多様な働き方に対応することや、時流もあり、変わっていかざるを得ない。互いに良い関係を築き、進んでいきたい」と柔和な笑顔で語った。
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