まぶしい日差しの下、報徳ナインは21年ぶりの頂点を目指した。1日に甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われた第95回選抜高校野球大会決勝。五回の大量失点が重くのしかかり、持ち前の終盤の粘りも封じられた。肩を落とす選手たちに、スタンドから温かい拍手が降り注いだ。「感動をもらった」「ここまで連れてきてくれてありがとう」(浮田志保、池田大介)
昨夏日本一の仙台育英(宮城)や昨春の覇者大阪桐蔭などの強豪を連破し、決勝の舞台に立った。大観衆が埋めた三塁側アルプスを、父母会会長の宮本浩充さん(48)=加古川市=は「選手の戦いぶりがこれだけの人を呼んだんだと思う」と感慨深げに見つめた。
幸先よく2点を先制した報徳だが、先発間木歩投手(16)が山梨学院にまさかの集中打を浴びた。「疲れが出てしまったのかな。でも、それだけ全力で戦ってきたということ」。父傑さん(45)=伊丹市=は、新2年生ながら投手陣を支えてきた息子を思いやった。
「昨日と一緒や」。スタンドから声が飛ぶ。前日の準決勝も大阪桐蔭相手に5点差をはね返した。1983年春のセンバツに出場したOB谷川和宏さん(57)=芦屋市=も「この地響きのような応援があれば、また狙えるはず」と逆転を信じた。
八回、先頭の山増達也選手(17)が中前打。調子を落としていた2番岩本聖冬生選手(17)が俊足を生かしてバント安打で続く。すっかり名物となった応援歌「アゲアゲホイホイ」のサンバのリズムが聖地を揺らす。だが、反撃は1点にとどまった。
最後の壁は高かった。それでも、兵庫勢として21年ぶりに決勝進出を果たした軌跡は色あせない。堀柊那主将の母悠さん(38)=神戸市須磨区=は「全てが記憶に残る試合。ただただお疲れさまと言ってあげたい」と涙。2017年春のベスト4を主将として経験した岡本蒼さん(23)=仙台市=も「自分たちより一つ進んでくれた。自信を持ってほしい」とねぎらった。
熱い夏はすぐに来る。02年のセンバツ優勝メンバー、前山優さん(38)=神戸市長田区=は「僕たちの代は春で満足してしまったのか、夏の甲子園は初戦敗退だった。この負けをプラスに一回り大きくなってほしい」とさらなる躍進を願った。
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