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国の対応に憤りの思いを伝える小林宝二さん=明石市貴崎1、明石市立総合福祉センター
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国の対応に憤りの思いを伝える小林宝二さん=明石市貴崎1、明石市立総合福祉センター
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国の対応に憤りの思いを伝える小林宝二さん=明石市貴崎1、明石市立総合福祉センター

 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、兵庫県内の5人(うち2人死去)が国に損害賠償を求めた訴訟で、国は5日、旧法を違憲とし計4950万円の賠償を命じた大阪高裁判決を不服として最高裁に上告した。これを受け、原告らが会見し、「なぜ国は分かってくれないのか」と憤った。

 3月23日の大阪高裁判決は、請求を退けた一審神戸地裁判決を変更し、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用しなかった。同種の訴訟で高裁4件目、地裁を含めると7件目の賠償命令。国はいずれも不服として、上告や控訴をしている。

 大阪高裁判決は除斥期間について、国が旧法の違憲性を認めるか、違憲性を認める最高裁判決が確定した場合、いずれかの早い時期から6カ月間は除斥期間は適用されないとする判断を初めて示し、被害者救済の範囲を拡大した。

 原告で聴覚障害のある小林宝二さん(91)=兵庫県明石市=は同市内で会見し、裁判が続くことに「私たちはいつまで悩めばいいのか」と手話で抗議。激しく手を動かし、「残る時間は短い。差別をされたままの人生は嫌だ」と早期の国の謝罪を求めた。脳性まひがある鈴木由美さん(67)=神戸市=は大阪市内で「上告を聞いて情けなくなった。(私たちは)一人の人間として幸せに生きたいだけだ」と訴えた。

 優生保護法被害兵庫弁護団は、各地の判決で救済の範囲が異なるなどしていることから、国は最高裁に判断を仰いだと説明。同弁護団の藤原精吾弁護士は「いずれにしても(違憲や賠償命令の)結論は変わらない。国は被害者が死ぬのを待っていると思わざるを得ない」と話した。

明石神戸
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