事故などによる脊髄損傷で下半身にまひ(不全まひ)がある患者を対象に、最先端のロボット技術で退院後の歩行をサポートする取り組みを、兵庫県立総合リハビリテーションセンター(神戸市西区)が進めている。コンピューター制御で膝を滑らかに曲げながら歩けるロボット装具「C-Brace(シーブレース)」を導入し、これまでに試行した患者3人全員で効果を確認。凸凹のある路面や階段でも自立して歩けるようになった患者もおり、仕事や買い物といった日常生活に役立っている。(岩崎昂志)
シーブレースはドイツ企業が開発。コンピューター制御で油圧シリンダーを動かし、膝を曲げながら歩行する動作を支援する。内蔵センサーが路面状況を検知することで、坂道や不整地などでも滑らかに歩くことができるという。
最先端技術を活用したリハビリを推進している同センターは、4年ほど前から同装具を使った訓練を試験導入。同センターの陳隆明所長は「これまでは入院中のロボットリハビリで歩行を改善できても、退院後の自宅では車椅子だけの生活に戻ることが多かった。適応する患者なら、日常生活でも歩行を取り戻せる可能性がある」と指摘する。
同センターでの活用例はこうだ。まず、股関節の動きなどを確認して適応があると判断した入院患者に、下半身に装着するロボットスーツ「HAL(ハル)」による歩行改善訓練を行い、正しい歩行パターンを覚えさせる。次に連携する澤村義肢製作所(同市中央区)の義肢装具士が調整したシーブレースで訓練を実施。自立歩行できるようになれば、退院後も自宅で使えるという。
■自分の両脚で
「脚が滑らかに前に出る。外出の行動範囲が広がり、生活が変わった」。同センターで同装具の訓練を受けた同県姫路市の男性(44)は、経営するスポーツジムの仕事中や旅行などの際に装着し、自分の両脚で歩行する。
約10年前に転落事故で脊髄を損傷、右脚や右手にまひが残った。リハビリに励んだが、車椅子中心の生活に。インターネットで知った同装具を使える施設を探し、同センターに行き着く。昨春に陳所長の診察を受け、昨年6月から入院して訓練を始めた。
まずHALを使い3カ月間、週2回のトレーニングを実施。歩行姿勢を覚えられた段階から、シーブレースを装着した訓練に移行し、昨年10月の退院後も使い続ける。
男性は、コンピューター制御でスムーズに脚が前に出る効果を感じているといい、「重そうな見た目だけど装着して歩くと軽くてすごく自然」と感想を述べる。
■高額な負担費用
陳所長によると、同センターの患者で同装具を使うのは現在、男性を含めて3人。全員が在宅での歩行が改善したという。「適応の有無があるため、全ての不全まひ患者が使えるわけではないが、高い効果が確認できた」とうなずく。
一方、普及を巡っては課題も立ちはだかる。公的医療保険が適用されないため、訓練や1台数百万円とされる費用は自費負担が避けられない。訓練できる施設は兵庫県内では同センターのみで、全国でも限定的なことも足かせになる。
同センターでは、開発元のドイツ企業と提携を結び、訓練用の同装具を提供してもらえる仕組みを整えた。それでも、退院後に使うためには患者自身が購入する必要があるという。
陳所長は「費用を補助する制度ができれば多くの患者に役立つ。治療実績を積んで機運を高めたい」と話している。
県立総合リハビリテーションセンターTEL078・927・2727
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