兵庫県尼崎市にあった現在のクボタの下請け会社でアスベスト(石綿)を扱う作業に従事した後、悪性胸膜中皮腫を発症した東京都内の男性(79)が、体の痛みに耐えながら会社側に補償を求めている。働いた期間は約3カ月だったが、60年ほどたって発症し、昨年労災認定を受けた。長年続けた飲食店を閉鎖せざるを得なくなるなど「会社には悔しさや悲しみをもっと分かってほしい」と話し、支援団体がクボタや下請け会社と交渉している。
(末永陽子)
男性は1961年6~8月ごろ、下請け会社でアルバイトとして働いた。ベルトコンベヤーから落ちた石綿を含む廃材を集め、一輪車で運んで捨てた。「粉じんが多く、かっぱを着て仕事することもあった」といい、労働環境の悪さから辞めた。
その後上京し、食器の卸会社に勤務。20代後半からは妻と二人三脚で都内の定食屋を切り盛りしてきた。石綿に触れ、吸い込む機会はなかったという。
男性は2021年に悪性胸膜中皮腫を発症した。同僚の証言など客観的な記録がない上、認定要件といわれる「暴露期間1年以上」を下回っていたが、22年5月に尼崎労働基準監督署に労災認定され、「全国初」の事例として注目された。
男性の兄はクボタの元社員で、59年9月~66年9月に石綿パイプの製造現場などで働いた。退職後に石綿関連疾患を発症し、13年に死去。尼崎労働基準監督署に労災認定された。
「次は俺かもしれん」。兄の葬儀の日、男性がつぶやいたのを、妻(76)は覚えている。その時初めて、夫がアスベスト関連の仕事に就いていたことを知ったという。
アスベストは潜伏期間が長く「静かな時限爆弾」とも呼ばれる。妻は「いつ発症するかという不安と恐怖に長年耐えてきた夫を思うと、胸が痛い」と涙ぐむ。
男性は発症後、胸の痛みや息切れ、抗がん剤治療による吐き気、味覚障害、体重減少などに見舞われた。常連客らに惜しまれながら昨年、店を畳んだ。「短期間のバイトで人生を変えられた。元気な体を返してほしい」と声を震わせる。
長女(50)は「東京は関西に比べて、石綿問題への理解や関心が薄い。会社には誠意ある対応を求めたい」と話す。
支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」(東京)などが、早期の補償実現に向けてクボタや下請け会社と交渉しているという。クボタの広報担当は「個別の案件についてはコメントできない」としている。
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