北海道・知床半島沖の観光船「KAZU 1(カズワン)」沈没事故は23日、発生から丸1年になる。運航会社の安全軽視の姿勢が招いた惨事では20人もの命が奪われ、今なお6人の行方が分からない。現地での追悼式には、上智大グリーフケア研究所名誉所長の高木慶子さん(86)=神戸市灘区=と、明石歩道橋事故遺族の下村誠治さん(64)=同市垂水区=も参列する。2人は事故後、深い悲しみと怒りに打ち震える遺族の心情に寄り添ってきた。(中島摩子)
カズワンは悪天候が予想される中、斜里町のウトロ港を出港。事故後の調査では、密閉されていないハッチ(昇降口)から海水が入ったとみられるなど「人災」の側面が強いことが示された。
23日の追悼式は、斜里町と観光協会などでつくる実行委員会が主催。事故後に全国から寄せられた寄付金の一部を開催費に充て、犠牲者の追悼とともに再発防止や海の安全を誓う。
高木さんと下村さんはいずれも2015年から、国土交通省公共交通事故被害者支援室のアドバイザーを務める。事故被害者や遺族に向き合い、支援策を助言した役割で、知床事故でも声がかかった。
高木さんは、グリーフ(悲嘆)ケアや終末期ケアの第一人者。阪神・淡路大震災(1995年)や尼崎JR脱線事故(2005年)、東日本大震災(11年)の遺族らに接してきた。
アドバイザー就任後は年2回、国交省職員の研修で遺族の心情やケアについて説いたり、アドバイスしたりしている。
知床事故の約2カ月後には、被害者支援室が設けたオンラインでの相談会で約20人の遺族と対面した。悲しみとどう向き合うか-などについて話し、質問も寄せられたという。
高木さんによれば「事故からの1年間はパニックになり、怒りがいっぱいで、どうしていいのか、自分が何をしているのか分からない状態」。最愛の人の行方が分からない「あいまいな喪失」に苦しむ人もおり、「つらさは想像を超える」とも。
22日に現地に向かう高木さんは、追悼式で遺族とともに手を合わせる。「伝えたいのは、泣いていい、怒っていいということ。その気持ちを肯定し、悲しみを受け止めたい」
下村さんは、01年の明石歩道橋事故で次男の智仁ちゃん=当時(2)=を亡くした。知床事故後は高木さんと同じく、オンラインや電話で遺族の相談に耳を傾ける。今年3月には韓国・ソウルの梨泰院で起きた雑踏事故の現場を訪れ、遺族と面会するなど活動は国内外に広がる。
「沈没事故の遺族がしんどい時や困った時、電話をかけてもらい、ほっとできる相手になれたら」と下村さん。「悲しみを共有し、私が知っていることは何でも伝えていきたい」と話している。
【知床・観光船沈没事故】2022年4月23日、北海道・知床半島の往復ツアーに出た観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没した。20人が死亡し、現在も6人が行方不明。運輸安全委員会の調査によると、船首付近の甲板にあるハッチ(昇降口)のふたが密閉されず、海水が入り、沈没につながったと推定された。当日は天候悪化の予報が出ていた。潜水士らによる不明者の捜索は冬季の中断を経て、4月中にも再開予定。
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