画面に映し出された大きな文字で新聞を読んだり、木製ベンチに腰かけてスタッフに相談したり…。クライミングの壁や調理コーナーもある。明るく、ユニークな空間は、眼科専門の複合医療施設「神戸アイセンター」(神戸市中央区)のエントランスにあり、その名は「ビジョンパーク」。視覚障害者の生活支援を目的にした施設で、利用者は5年半前の開設当時と比べ倍増しているという。(津谷治英)
■音で誘導クライミング、拡大器で読む楽しみ
神戸アイセンターは、神戸市の医療産業都市構想の一環で2017年、ポートアイランドにできた。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の移植手術で世界にその名が知られるが、先端研究や治療の機能だけでなく、視覚障害者のケアを担う「ビジョンパーク」(延べ床面積約500平方メートル)を併設しているのが特徴だ。
患者の悩みに応じ、就労や就学などの社会生活を支援するための情報発信に取り組んでいる同パーク。施設を運営する公益社団法人「ネクストビジョン」の山田千佳子事務局長(54)は、「視力が低下したり、見えなくなったりしても、正確な情報があれば日常の不安は減らせる」と話す。
例えば距離と方向。この感覚がつかめないと、行動が萎縮してしまう。同パークでは専用アプリをスマートフォンに入れると、随所で音声ガイドが流れる。「1メートル先に階段があります」「左に消毒液があります」といった具合だ。
施設内には、五つのエリアがあり、「リーディングエリア」には、視力が低下した人でも本や新聞を読めるよう拡大読書器が2台置かれている。これを使い、裁縫など細かい作業に挑む人もいるという。
「アクティブエリア」ではクライミングに挑戦できる。壁には赤、緑、黄色の突起物が散在し、一見すると一般のものと変わりはない。だが、正しい突起物を触ると音で知らせてくれ、光を感じる程度の視機能のある人向けに光るものもある。
「キッチンエリア」は巨大なオープンキッチンが目を引くが、設置されているIHこんろには、温度調整や点火スイッチを示す点字が付いている。「市販されている器具に点字シールを貼っただけ。特別な器具を購入するのではなく、使い方の工夫を紹介しているんです」と山田事務局長。
調味料を入れるボトルは「10cc」「15cc」とワンタッチで定量が出せるものを提案。安全に調理を楽しむヒントが学べる。
ほかには、自然音に包まれて癒やされる「リラクゼーションエリア」、学校や職場を想定した「シミュレーションエリア」がある。
昨年、同パークの相談窓口を訪れた人は延べ1224人を数え、開設当初から倍増。患者の悩みに応じ、地域のリハビリ施設への橋渡しをしている。
利用者の女性は、病気で視力が低下し今はほとんど見えない。「最初はかなり落ち込んだ。でも相談員ができることを一緒に考え、アイデアもくれて可能性が広がった」と感謝する。今は趣味でマンドリンを弾く。
山田事務局長は「誰もが暮らしやすい社会の実現が目標。ビジョンパークがきっかけになれば」と話し、ヨガや体幹トレーニングなどのイベントも開催している。ネクストビジョンTEL078・304・4455(平日の午前9時~午後5時)
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