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電車の脱線事故を再現した映像の一部(ジョリーグッド提供)
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電車の脱線事故を再現した映像の一部(ジョリーグッド提供)
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電車の脱線事故を再現した映像の一部(ジョリーグッド提供)
電車の脱線事故を再現した映像の一部(ジョリーグッド提供)
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電車の脱線事故を再現した映像の一部(ジョリーグッド提供)
専用のゴーグル型端末を着けて映像を見る(ジョリーグッド提供)
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専用のゴーグル型端末を着けて映像を見る(ジョリーグッド提供)

 大規模災害や事故の現場で、医療従事者はどう動くべきか-。医学生、研修医向けの教材を開発する東京の会社が、熊本大学と共同で、事故現場の救出対応を疑似体験できる仮想現実(VR)教材を制作した。2005年に乗客106人が死亡した兵庫県の尼崎JR脱線事故を映像で再現し、緊急時に取るべき行動をイメージしやすくしている。

 映像は約20分で、ゴーグル型端末を着用して見る。熊本県内の架空の駅で、震度6強の地震が発生し、付近を走っていた電車が脱線したと想定した。消防本部から病院に救護班の出動要請があり、医師、看護師らが急行する。

 線路沿いの規制線、転覆してひしゃげた鉄道車両、数多くの負傷者…。尼崎JR脱線事故の当時の写真を参考に、CGで再現している。体験者は患者の診断や応急処置について質問を受け、回答しながら必要な対応を学ぶ。

 医療従事者向けの教材を手がける「ジョリーグッド」(東京)が開発した。16年の熊本地震を経験した熊本大病院の災害医療チームが依頼、監修した。

 同病院災害医療教育研究センターによると、日本は災害の多さなどで、医療従事者が予期しない急な対応を求められがちという。関係者の間では、事前実習の機会を増やすべきとする議論が聞かれる。

 一方で、尼崎JR脱線事故を巡っては、日本集団災害医学会の特別調査委員会が、医療チーム同士の連絡が不十分だったり、搬送先などの判断の一部で課題があったりしたことを指摘している。

 ジョリーグッドの担当者は、同事故を「治療の優先度を決める大規模の『トリアージ』が実施された代表的事例」と位置付け、今後について「大きな事故や自然災害に備える医療チームの構築、育成が求められている」とする。

 同センター長の笠岡俊志医師は「医学生らに災害現場への出動をリアルに体験してもらえる」と期待を寄せる。利用にはゴーグルとアプリケーション代24万2千円、契約料(ライトプラン11万円など)を支払う。すでに販売され、熊本大などで活用されている。(末永陽子)

尼崎JR脱線事故
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