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カフェ「リンク ツリー」の店内。焼き菓子や雑貨の販売コーナーもある=神戸市中央区御幸通8
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カフェ「リンク ツリー」の店内。焼き菓子や雑貨の販売コーナーもある=神戸市中央区御幸通8
木製の陳列棚には食品や雑貨などの商品が並ぶ=神戸市中央区御幸通8
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木製の陳列棚には食品や雑貨などの商品が並ぶ=神戸市中央区御幸通8
カフェで提供する手作りおにぎり。この日は「ベーコンチーズ」や「卵鶏そぼろ」など=神戸市中央区御幸通8
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カフェで提供する手作りおにぎり。この日は「ベーコンチーズ」や「卵鶏そぼろ」など=神戸市中央区御幸通8
カフェで提供する手作りおにぎり。この日は「ベーコンチーズ」や「卵鶏そぼろ」など=神戸市中央区御幸通8
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カフェで提供する手作りおにぎり。この日は「ベーコンチーズ」や「卵鶏そぼろ」など=神戸市中央区御幸通8
陳列棚にも焼き菓子や雑貨など「神戸ふれあい工房」の商品が並ぶ=神戸市中央区御幸通8
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陳列棚にも焼き菓子や雑貨など「神戸ふれあい工房」の商品が並ぶ=神戸市中央区御幸通8

 神戸市営地下鉄海岸線「三宮・花時計前駅」の改札前に先月末、一軒のカフェがオープンした。ドアや段差がなく、木製の棚やテーブルが並ぶ店内は、開放的で温かみのある雰囲気。時間帯によって、ビジネスマンやシニア、ベビーカーの親子連れ…と客層も幅広い。多世代が集い始めたカフェには、さまざまな「仕掛け」があった。(石沢菜々子)

 ■3部制

 店名は「Link tree(リンク ツリー)」。モーニングは卵かけご飯とみそ汁、ランチは具だくさんの豚汁やおにぎり-など、時間帯によってメニューが変わる。夕方からはアルコール類を提供し、仕事終わりのビジネスマンらが喉を潤しにやってくる。

 この3部制には、さまざまな客層を呼び込むだけでなく、店側にとっても理由がある。カフェは、社会福祉法人みかり会(本部・南あわじ市)が就労継続支援B型事業所として運営。障害のある人たちが、働きやすい時間帯を選び、調理や清掃、接客などに取り組めるようにしている。

 今後、同店を拠点に、福祉を学ぶ学生らとの交流も計画する。保育や障害児支援、高齢者介護などの施設を展開する同会の谷村佳奈美・運営専務は「木の根っこのように、いろんな人たちが出会い、つながる場所にしていきたい」と、店名に思いを込める。

 ■3代目店舗

 同店は、神戸市内の障害福祉サービス事業所で作られた商品を販売する役割も担う。店の一角には、クッキーやパウンドケーキといった焼き菓子やさまざまな種類の雑貨などが並ぶ。

 これらは、障害者の社会参加や自立支援のため、神戸市社会福祉協議会が1999年に設置した「神戸ふれあい工房」の商品の一部だ。同工房には現在、61事業所が参加している。

 同工房は、JR神戸駅地下街の「デュオ神戸」に初代の店舗をオープンし、その後は神戸市役所2号館1階に店舗を移したが、同館の建て替えで、2020年3月に一時閉店。受注に応じて、販売してきた。

 同工房の商品は、会議やイベントの手土産などに利用される一方、近年は売り上げ減少が課題だった。人通りの多い駅構内での「3代目店舗」の運営を託されたのが、同市の公募で選ばれたみかり会のカフェ事業だった。

 ■困り事にも

 店舗のしつらえなどにも、同会のこだわりがある。

 焼き菓子などを並べる木製の陳列棚は、DIY(日曜大工)が得意な職員や、同会が運営する児童館の子どもたちが協力して制作した。店内には、子どもらの絵画などのアート作品もさりげなく飾られている。ふれあい工房の商品を出品する事業所は、カフェや棚の雰囲気に合うよう、パッケージを工夫したという。

 手作りの温かみが感じられる空間で、スタッフと客との新たな交流が生まれることも期待している。

 店長を務める同会職員のソーシャルワーカー、山下美春さん(29)は「お客さんと顔なじみになって、困り事があれば、何でも話してもらえる関係を築きたい。必要に応じて、関係機関につなぐ役割ができれば」と話している。

 同店の営業は、月曜~土曜の午前8時から午後8時まで。

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