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職務質問を模擬実演する堂園悟史さん。対象者役に大きな声で「こんにちは」と呼びかけた=兵庫県警本部(模擬実演のため特別にマスクを外してもらい、撮影しています)
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職務質問を模擬実演する堂園悟史さん。対象者役に大きな声で「こんにちは」と呼びかけた=兵庫県警本部(模擬実演のため特別にマスクを外してもらい、撮影しています)
警察庁の広域技能指導官に指定された堂園悟史さん=兵庫県警本部
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警察庁の広域技能指導官に指定された堂園悟史さん=兵庫県警本部
警察庁の広域技能指導官に指定された堂園悟史さん=兵庫県警本部
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警察庁の広域技能指導官に指定された堂園悟史さん=兵庫県警本部

 卓越した職務質問の技能を持つとして、警察庁が、兵庫県警葺合署地域3課長の堂園悟史さん(55)を広域技能指導官に指定した。積極的な声かけと丁寧なやりとりで、多くの事件の端緒をつかんできた。後輩への熱意ある指導も高く評価され、「迷ったら前に出る警察官を育てていきたい」と意気込む。

 逮捕術で鍛えた堂々たる体格、切れ長の鋭い目。自他共に認めるこわもてだが、ひとたび口を開けば、快活さが際立つ。「身長181センチ、体重は0・1トンです。こう見えても、神戸市中央区出身のお坊ちゃまだったんですよ。ちょうネクタイが似合うようなね」

 暴力団捜査歴40年という父幸男さんの背中を追い、1991年4月に拝命。同じ暴力団対策の刑事を熱望していたものの、2005年にパトカーの乗務員に。制服を着ての職務を自身はなかなか受け入れられなかったが、何げない声かけから犯罪の摘発につなげる先輩の姿に魅力を感じるようになった。

 大切にしているのが、ちょっとした違和感だ。服装、目つき、しぐさ。少しでも気になったら、迷わず動き、元気よく「こんにちは」と呼び止める。何もなかったときは、協力に対するお礼をきちんとする。

 公判を見据え、声かけや所持品検査など一つ一つの手続きを取った理由も、明確に意識する。「しゃべりのうまい、下手は関係ない。違和感に気付き、丁寧にやりとりを重ねていくことが重要だ」

 現場で積み重ねたノウハウを生かし、指名手配を受けていた暴力団組員への職務質問や、車両からの薬物の発見などで表彰も数多く受けている。その実績が評価され、4月17日、職務質問の分野では兵庫県警で2人目という警察庁広域技能指導官に指定された。

 かつて望んだ暴力団捜査への憧れはもうない-。そう思いきや、未練がないか問われると、顔を赤らめ、目が泳ぐという違和感だらけの表情を見せた堂園さん。だがそれも一瞬。すぐに前を向き、力強く宣言した。

 「職務質問の世界で頑張ります」

(小川 晶)

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