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「この7時間は本来の自分の姿で楽しんでほしい」と5月3日に初開催される神戸レインボーフェスタをPRする田辺義宗さん(左)と新井智尊さん=神戸市中央区二宮町1
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「この7時間は本来の自分の姿で楽しんでほしい」と5月3日に初開催される神戸レインボーフェスタをPRする田辺義宗さん(左)と新井智尊さん=神戸市中央区二宮町1

 LGBTなど性的少数者の存在を知ってもらうイベント「神戸レインボーフェスタ」が5月3日、神戸市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で初めて開かれる。実現にこぎつけたゲイカップルは「性自認に悩み、生きづらさを抱える人に『一人じゃない』と実感してほしい」と話し、当事者のみならず多くの参加を呼びかけている。(名倉あかり)

 神戸で性的少数者専門の結婚相談所を経営するゲイの田辺義宗さん(36)、新井智尊さん(42)、当事者らの交流会を開催するコミュニティー「RISE」が主催する。同様のイベントは東京や大阪で大規模に行われており、2人は神戸での実施を思い立った。

 岸田文雄首相の秘書官が性的少数者への差別発言で更迭されたのは今年2月。一方、神戸市が「パートナーシップ制度」導入に向けて検討を進めるというニュースも耳にした。制度は性的少数者のカップルを婚姻相当の関係と認めるもの。社会の後押しを得るためにも、「声を上げるのは今しかない」。直感だった。

 当日は飲食店、性的少数者を象徴するレインボーカラーのグッズ販売など30のブースが出展。2人が出演したテレビ番組を見て「応援したい」と協力を申し出てくれた店もあるという。

 恋人との未来を占ってもらったり、ネイルサロンに通ったり。異性愛者には当たり前の楽しみでも、同性愛者やトランスジェンダーにとっては大きな壁が立ちはだかることがある。フェスタでは気兼ねなく利用できるように、「おゲイ占い師」のコーナーやネイル、メークなどの体験ブースも登場する。

 ステージでは、当事者らが入れ替わりでトークや音楽、パフォーマンスを披露。新井さんは「眼鏡や左利きの人がいるのと同じでセクシャリティーが違うだけ。生身の性的少数者をまずは知ってほしい」と思いを込める。

 「特別なことは求めていません。男女のカップルと同じように扱ってほしい」と新井さんが言えば、「安心して静かに暮らしたい。ただそれだけなんです」と田辺さん。憲法記念日に開催するのは、同性婚が法的に認められていない日本の現状に目を向けてほしいとのメッセージでもある。

 会場はKIITO内のギャラリーA。イベントは小さな一歩だとしても、この挑戦がいつか大きな輪となり、神戸のまちを変えてくれる。そう信じている。2人が手をつないで歩ける日がきっと来る、と。

 フェスタは午前11時~午後6時。入場無料。詳細はホームページやツイッター、インスタグラムで。

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