兵庫県明石市の泉房穂市長（５９）が２８日、最後の登庁日を迎え、執務後に退任会見を開いた。３期１２年を振り返り「やさしい明石、胸を張れる明石を目指し、そのための市民を向いた政治、予算と人材のシフトを精いっぱいやり切った。悔いはない」とさばさばと語った。

　手厚い子育て支援策は全国から注目された。一方で暴言や攻撃的なツイートは市職員や議会、兵庫県、他市町との対立も生んだ。泉市長は「市役所の組織文化も変えられた。市民からも窓口や苦情対応も迅速になった、言葉通り市民を向いた仕事になったとほめられる」とした。また、「市役所にはもう近づかない。選挙で選ばれた丸谷聡子新市長を一市民として支えたい」と述べた。

　今後のスケジュールに質問が集中したが「白紙。正直しんどかったので、１カ月くらいゆっくりしたい。政治的な動きは慎重に考えたい」とした。また、「現職の市長であるがゆえに言えなかったことが多くある。今後はツイッターだけなく動画も活用し、丁寧に発信したい」と意気込みを話した。

　さらに「オンラインも含め小学生、中高生、大学生を対象に政治塾をやりたい」とし、「子どもこそが未来。国民のお金が国民のために使われる社会にするため、子どもに期待したい。よく古い政治家に弟子入りする学生がいるが、あれは良くない。見る必要のない風景を見ることはない」と持論を展開した。