手厚い子育て支援で兵庫県明石市政を12年にわたってけん引した泉房穂市長(59)が28日、市役所を去った。独自の政策展開は「まちの活力のバロメーター」とされる人口の10年連続増として結実。人口減少が日本の行く末に暗い影を落とす中、泉氏の手法は新たな自治体運営モデルとして注目を集めたが、なりふり構わず目的達成へ突き進むかのような姿勢は、市議会はじめ周囲とのあつれきも生んだ。
■独自施策
明石市の人口は30万5131人(4月1日時点)。泉市長が就任した2011年5月から1万4372人(5%)増えた。主に近隣市町からの転入によってもたらされたものだ。
原動力は、子育て支援に関する幅広い無料化。13年に中学生までの医療費を、16年には第2子以降の保育料を無料に。新たに始めた中学校給食も20年に無償化し、医療費の無料化は21年に高校生まで広げた。
「無料化で家計に余裕ができ、子どもに習い事をさせられた」(40代女性)など評価する声は多い。
着想を得たのは衆院議員時代(03~05年)という。積極的な支援策で出生率を高めたフランスの実例を知り、「政治が人口構造を変えることに驚いた」。後に自身で手がけた支援のうち、人口増に最も結び付いたとみるのが第2子以降の保育料無料化だ。「保育料は収入に比例するため、これまで負担が大きかった中間層の上の方(の転入)に効いた」と振り返る。
弁護士として問題意識を抱いてきた犯罪被害者への支援▽再犯させないための更生支援▽養育費を受け取れていないひとり親家庭への支援-にも取り組んだ。中核市となった翌年には児童相談所を設けた。
明石駅前再開発も市民に変化を感じさせた。事業を前市長から引き継ぐと、明石公園にあった市立図書館を移転させ、明石城を見渡せる憩いの空間に。貸し出し冊数は移転前の1・8倍に増え、親子向け室内遊び場も「子育てのまち」のシンボルとなった。
■分断
「市民の味方」として「敵」と戦う-。そんな構図をつくる手法は人々の関心を引き付けた。21年末に始めたツイッターは瞬く間にフォロワーを増やし、国内政治家として屈指の44万人を誇る。一方で「劇場型政治」は危うさもはらんだ。「市長を支持する市民と、支持しない市民が気を使いながら話している」。市内の男性(43)は市民の間に分断が起きたと指摘する。
「職員と信頼関係を築くため誠心誠意、努力を重ねる」。自らの暴言をきっかけに行われた19年3月の出直し選。再選した泉氏はそう述べたが、泉氏の物言いなどに「恐怖を感じる」という声が職員から漏れ、副市長2人ら幹部職員が任期終了や定年を待たず市役所を去った。
議会多数派とのパイプ役を務めた市議がいなくなった3期目以降は、対立が次第に鮮明に。昨年10月、小学校の行事で同席した自民、公明両党の議員に「次の選挙で落としてやる」と暴言を吐き、政治家引退を表明するに至った。
3月。後継として丸谷聡子氏(59)の擁立を表明した会見で泉氏は、自身の政治手法について「『この結論が正しいので皆ウンと言えばいい』との気持ちがぶっちゃけある」と吐露。誠意を尽くして共感を得るとする丸谷氏の考え方には「急ぎすぎるあまり、私にできなかったことがあったかもしれない。丸谷さんのやり方でやってほしい」と語った。(長尾亮太)
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