神戸市兵庫区の集合住宅「第２ひろみ荘」で今年１月、高齢男性ら８人が死傷した火災を受け、同市は２８日、緊急調査の結果、同様の構造を持つ建物８２棟のうち１９棟で建築基準法違反が確認されたと発表した。非常用照明や防火戸が設置されておらず、改善を指導した。

　市によると、８２棟は市内の共同住宅や寄宿舎。市消防局は火災直後、消防法で定められた住宅用火災警報器などの設置状況を調査しており、今回は建築基準法上の不備がないかを調べていた。

　違反のあった１９棟のうち、１８棟は停電時に点灯する非常用照明が廊下や階段などの設置すべき場所になかった。また、４棟では階段と廊下の境などに設ける防火戸がなかった。いずれも昭和期の建築だった。

　第２ひろみ荘でも同様の違反があった。建物は今後取り壊される見通し。

（金　旻革）