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兵庫県警の「交通管制センター」に併設されている、中継機材がそろったジャティックの放送室=兵庫県警本部
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兵庫県警の「交通管制センター」に併設されている、中継機材がそろったジャティックの放送室=兵庫県警本部
姫路・加古川バイパスを中心に、定点カメラの映像も参考に渋滞情報を整理するジャティック神戸センターのオペレーター=兵庫県警本部
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姫路・加古川バイパスを中心に、定点カメラの映像も参考に渋滞情報を整理するジャティック神戸センターのオペレーター=兵庫県警本部
ジャティックの放送室から見えるようになっている兵庫県警の「交通管制センター」の大型モニター=兵庫県警本部
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ジャティックの放送室から見えるようになっている兵庫県警の「交通管制センター」の大型モニター=兵庫県警本部

 長ければ9連休にもなる今年のゴールデンウイーク(GW)。帰省に行楽に、車での移動を計画する人たちの「守り神」が全国の警察本部庁舎にいる。ラジオの渋滞情報でおなじみの「JARTIC」(ジャティック、日本道路交通情報センター)の職員たちだ。

 ♬タラランラランランランララーン タラランラランランラーン

 「阪神高速の状況です」「3号神戸線の環状線方面に向かう東行きは、魚崎を先頭に湊川まで14キロの渋滞…」

 ジャティックは公益財団法人で、全国133カ所に拠点を構える。NHKと民間放送局でのラジオ放送回数は年間で約27万回(2022年度実績)を数える。

 全国屈指の渋滞スポットで知られる阪神高速神戸線と慢性的に交通量が多い加古川・姫路バイパスを抱える兵庫では、県警本部の「交通管制センター」に事務所を併設し、上階に中継機材がそろう放送室がある。

 7人のオペレーターが交代で勤務し、県警の委託を受けてラジオ関西と「Kiss FM KOBE」に出演。おおむね1分半の生放送で、出番直前になっても影響が大きな通行止めの情報が入れば、ごっそり原稿を差し替えるなど臨機応変に発信する。

 オペレーターが常に目を離せないのが、リアルタイムで更新し続けるオリジナルの路線・原因別渋滞リスト。各地のジャティック駐在員が地元警察や道路管理者から受け取る事故、工事などの情報を速やかに入力し、自動収集の「自然渋滞記録」も含めて全国の拠点で共有しているものだ。

 情報量は膨大だが、放送にただ詰め込めばいい訳でもない。早口は苦情につながりやすく、オペレーター歴6年の多田香菜さん(29)は「情報量と聞きやすいスピードとのバランス、間を常に意識している」と言う。

 バイパスがもう混み始めていないかなど、ドライバーが「今欲しい」情報を的確に届けるのが使命。渋滞原因、路線、区間、距離などが一覧になったパソコン画面を手際よくスクロールしながら、デジタルとアナログの網で厳選したデータを公共の電波に乗せる。

 渋滞路線を多く受け持つ神戸センターは、電話の問い合わせにも個別対応している。ドライバーたちの渋滞への警戒心も高いようで、問い合わせ件数は全国でも有数。オペレーターはアナウンサー志望だった人から多田さんのように「道路の案内標識好き」までさまざまで、休日にドライブがてら、渋滞が起きやすい起伏「サグ部」の所在を調べに行くなどおのおのが工夫を凝らし、渋滞察知の精度向上に余念がない。

 ジャティック携帯短縮ダイヤルTEL#8011(電話の混雑時は自動応答)。WEBの「道路交通情報Now!!」でも24時間、5分ごとに渋滞情報を配信する。

     ■

 阪神高速道路会社によると、今年のGWは5月3、4日に第二神明道路にかけての下りで最長32キロの渋滞を見込む。西日本高速道路でも期間中、10キロ以上の渋滞が管内全体で87回発生すると予測。県警高速隊は「高速道路上の事故が目立つため、全席シートベルトを着用し、ゆとりを持った運転を」と呼びかけている。(井上太郎)

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