• 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
緊急一時避難施設に指定されている神戸・三宮の地下街「さんちか」=神戸市中央区三宮町1
拡大
緊急一時避難施設に指定されている神戸・三宮の地下街「さんちか」=神戸市中央区三宮町1
兵庫県庁に設置されている「Jアラート」の受信機器。受信すると点灯する=神戸市中央区中山手通5
拡大
兵庫県庁に設置されている「Jアラート」の受信機器。受信すると点灯する=神戸市中央区中山手通5

 北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、昨年秋以降、国の全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じた緊急情報の発令が相次いでいる。もしも兵庫県の方向に飛来する可能性が生じた場合、どんな状況が想定されるのか。そして私たちはどうすればいいのか。(上田勇紀)

 Jアラートは、弾道ミサイル発射や大規模テロの発生、緊急地震速報など時間的余裕がない事態に関する情報を、人工衛星を活用して国から地方自治体や市民に伝えるシステム。2007年に運用が始まった。

 政府は昨年10月4日、北朝鮮のミサイル発射で、5年ぶりにJアラートを発動。北海道と青森県などの住民に避難を呼びかけた。11月3日に宮城、山形、新潟県に向けて地下や建物内に避難するよう発令。今年4月13日には北海道周辺エリアに出した。

 いずれも発令の時間は朝で、ミサイルは日本上空を通過するなどして被害はなかったが、対象地域は突然の知らせに混乱した。通勤・通学時間帯の公共交通機関が止まったり、学校が臨時休校したりした。

     ◇

 「ミサイル発射を受けて動いても間に合わない。どうしたらいいのか。緊張が高まっている」。日本海に面する浜坂漁協(兵庫県新温泉町)の川越一男組合長(68)は不安を口にする。

 発射から数分で到達するとされる弾道ミサイル。県内ではこれまでミサイルによるJアラートが出されたことはないが、発射方向によっては対象になる。

 仮にそうなった場合、国や県によると、各市町の防災行政無線などが自動的に起動。屋外スピーカーや自宅の受信機から「ビュウー」という国民保護サイレンが14秒間流れる。そして「ミサイル発射。ミサイル発射。ミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、または地下に避難してください」と呼びかけが続く。

 携帯電話には緊急速報メール(エリアメール)が配信され、音や文章で発射を通知する。県は関係部局による会議を開き、市町と連携して情報を集める。

 JR西日本によると、ミサイルへの警戒が必要になった場合、対象地域では、安全が確認できるまで電車の運転を見合わせるといい、通勤・通学ラッシュと重なる恐れがある。

     ◇

 爆風や破片から身を守る避難場所を巡り課題もある。国民保護法に基づき、都道府県と政令市が定める公民館や小中学校などの「緊急一時避難施設」は県内に1923(昨秋時点)。このうち、地上より有効とされる地下施設は74カ所にとどまる。

 さらに74カ所のうち6割以上の47カ所は、鉄道の地下駅舎や大規模地下街がある神戸市に偏っている。同市は3月、新たに94カ所の地下施設を指定し、「施設側に受け入れの心構えをしてもらう」と強調する。

 一方、地方では地下施設が少なく、豊岡市内は一時避難施設69カ所のうち地下施設はゼロ。担当者は「地下で大勢が避難できる場所が見当たらない」と明かす。丹波地域や淡路島もゼロで、東播磨や西播磨は1カ所ずつにとどまる。

 一時避難施設でも夜間などは閉まっているケースも多い。内閣官房は「地下がなければ頑丈な建物に避難し、建物がなければ地面に伏せて頭部を守ってほしい」とし、「国民保護ポータルサイト」で緊急時の行動を紹介している。

もっと見る
 

天気(9月6日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 36℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ