利用者の指示に基づいて文章や画像などを作り出す人工知能「生成AI」。代表的な「チャットGPT」は、賛否がある中、政治や教育などの分野で活用が注目されている。その波は司法の世界にも押し寄せ、弁護士らを立てずに自分自身が訴訟に臨む「本人訴訟」では、裁判所に提出する書面の校正や編集に利用する人が出始めている。(篠原拓真)
■「私は裁判の被告」
「AIへの指示の仕方さえ共有できれば、簡単に使える」。岡山県内に住む20代の女性の感想だ。親族を相手に家事調停をする女性は、チャットGPTを使い試しに書面作りに挑んだ。
女性は、主張を記した文を転写した上で、AIに対して「私は裁判の被告」「文章を訴訟で使えるように」などと指示。書面は大きく四つに分割し、それぞれの文章を編集させた。
文体の違和感を解消し狙う主張に近づけるため、十数回の指示を繰り返し、大まかな文書が完成したという。語尾を整えるなどの手直しは必要だったが、所要時間は数時間だった。指示を出して待つだけで「合間に別の作業ができる。スマホなら通勤中の電車で書くこともできる」と述べる。
本人訴訟での情報交換を目的とするオンラインサロンもあり、同じく試しに使ったという会員数人の報告があった。使った中には、民事訴訟の被告となった会員もいたという。同サロンを運営する吉永安智代表(51)は「文章が分かりやすくなるだけではなく、繰り返す訴えは省略し、箇条書きで要点整理などもしてくれる。主張が明確にしやすい」と利点を挙げる。
本人訴訟に挑む人のほとんどが「法律の素人」。初めて書面を書く人が大半で、言いたいことを詰めすぎるがゆえに「事実なのか、訴えなのか。結局、何が主張したいのか分からないケースがよくある」と打ち明ける。AIの使用で明確にできれば「裁判官も主張の補充を提案するなど、助言を出しやすいはず」と話す。
生成AIは、回答の正確性などの課題があり、現時点は、自らの主張をまとめる校正や編集での活用にとどまる。しかし吉永さんによると、訴状などを読み込ませ、それに対する答弁書や準備書面を作ることも「可能」といい、「書面自動作成システムの提供を実現させたい」と意気込む。
■落としどころは弁護士
AIは司法の世界に導入されるのか。司法とIT化の取り組みに詳しい兵庫県弁護士会の藤原唯人弁護士は、現状では「過払い返還や貸金返還請求などの定型的な訴訟には適しているかもしれない」と分析する。一方で「争いの落としどころを探すような、最善の解決策が訴訟ごとに異なる裁判は、弁護士でないと対応できないだろう」と話す。
個人情報の保護や信頼性の担保など、解決すべき課題は多いが、藤原弁護士は「訴えの選択肢を洗い出したり、素案のたたき台を作ったりする作業は、弁護士がAIを使う日が来るかもしれない。何らかの形で、司法業務にAIが導入されるのは避けられないだろう」と推測した。
【チャットGPT】利用者の指示に基づいて文章や画像、音声などを生み出せる人工知能「生成AI」の代表例。人工知能(AI)を使ったチャットサービスで、米国の新興企業「オープンAI」が昨年11月に一般公開した。生成AIは業務効率化などの利便性が高い一方、回答内容の正確性や公平性、個人情報の保護などで懸念も指摘される。今年4月には先進7カ国(G7)デジタル・技術相会合で「信頼できるAI」として国際的な技術基準策定を目指すとの共同声明が採択された。

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