5人組の男たちは自らを「BIRDMAN(バードマン)」と名乗っていた。そろいのポロシャツを着て、兵庫県三田市郊外の「工場」を拠点に活動するグループだ。
「2カ月暮らすだけで100万円もうかる」と誘われ、仲間入りした田中二郎(35)=仮名=もその1人だった。仕事は「工場」の世話係。部屋中に生い茂る植物を大切に育てている。
毎朝、窓を開けて空気を入れ替える。何しろ金になる魔法の草だ。手塩にかけて育てた。稼いだ金で高級時計や高級車を買い、「社員旅行」と称して豪遊するメンバーもいた。
だが、そんな暮らしが長く続くはずもない。2020年秋、田中は大麻を栽培した疑いで兵庫県警に逮捕された。複数の拠点からは大麻草1600株が見つかった。県警では過去最大の押収量だった。
■迷いは一瞬
「バードマン」は元々、建築資材業をなりわいにしていた田中の後輩、長谷川が地元の仲間らを誘ってつくったグループだ。18年ごろから阪神間の郊外で栽培を始め、5人目のメンバーとして田中を誘った。
「一軒家に住み込んで大麻を栽培してもらえれば、2カ月で100万円を渡せる」。住まいの家賃や光熱費も必要ない。迷いは一瞬だった。
運び込まれた大量の大麻の苗にLED照明を当て、肥料を与えるのが田中の仕事だ。大麻の状態や室温の確認を任された。
収穫した大麻草は十分に乾燥させ、バッズ(花穂)や葉、茎など部位ごとに切り分けて製品化する。真空パックに詰めた商品は、長谷川らが客と連絡を取り、密売している様子だった。
■ポロシャツの確執
グループの仲は表向き良かった。長谷川のおごりで食事をしたり、皆で淡路島へ旅行に出かけたりした。車や時計を与えられたメンバーもいた。
ただ、田中は最後まで「なじめない」という思いが消えなかった。せめてもの意地として「バードマン」の名前が入ったポロシャツを着るのだけは拒んだ。
■異例の判決
神戸地裁はリーダーの長谷川に同種の事件としては極めて重い懲役13年、罰金600万円の判決を言い渡した。田中らほかの4人の判決は懲役5年6月~10年6月だった。
逮捕されて以降、「後悔と反省を毎日繰り返した」という田中。裁判員から「大麻をやめられるのか」と問われ、「不安もあるが、決別しようと決めた。仲間とも縁を切りたい」と絞り出すように答えた。
◆
厚労省の統計によると、2021年の大麻事件の摘発者は過去最多の5783人で、8年連続で増加している。暴力団が支配する覚醒剤ビジネスと違い、大麻の栽培や密売は新規参入が比較的容易とされる。「バードマン事件」のように、大麻密売のまん延は一般人を“半グレ化”させてしまう危険性をはらんでいる。
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