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復旧作業が進む堤防の決壊現場=9日午後、伊丹市荒牧6(撮影・吉田敦史)
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復旧作業が進む堤防の決壊現場=9日午後、伊丹市荒牧6(撮影・吉田敦史)
8日に堤防が決壊し、車が土砂に埋もれるなどした現場。土砂はほとんど撤去されて路面が露出していた=9日午後、伊丹市荒牧6(撮影・吉田敦史)
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8日に堤防が決壊し、車が土砂に埋もれるなどした現場。土砂はほとんど撤去されて路面が露出していた=9日午後、伊丹市荒牧6(撮影・吉田敦史)
8日に路面を覆っていた土砂は急ピッチで片付けられた=9日午後、伊丹市荒牧6(撮影・吉田敦史)
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8日に路面を覆っていた土砂は急ピッチで片付けられた=9日午後、伊丹市荒牧6(撮影・吉田敦史)

 兵庫県伊丹市北部を流れる天神川の堤防が決壊した大雨被害で、当時の雨量が兵庫県の想定を上回る1時間当たり33ミリに達していたとみられることが9日、県への取材で分かった。現場では県が河川工事中で、国の基準に従い、洪水が起きにくいとされる「非出水期」(11~5月)の過去5年分のデータを基に最大雨量を約30ミリと見込んでいた。今後、非出水期の定義や想定雨量の妥当性が議論になる可能性もある。

 県によると、武庫川水系の天神川は周囲の土地よりも川底が高い「天井川」。県は川の下を横切るトンネルの拡幅工事に向け、昨年11月から幅14メートルの川の半分を土のう(高さ2メートル)で区切り、片側にだけ水が流れるようにしていた。

 こうした工事をする際、国土交通省が定めた基準では、過去5年間の降雨データを基に計画を立てるよう規定。県はこれに従い、1時間に約30ミリの大雨を想定し、工事中の川幅や土のうの高さを決めていた。

 しかし、上流の宝塚市にある県の観測所では、決壊の約1時間前となる8日午前0時までの1時間に33ミリの雨量を記録。それ以前にも強い雨が続いていた。このため、川の水位が急上昇して土のうを超え、工事の一環でコンクリートをはがした状態の堤防を約30メートルにわたり決壊させたという。

 今週末には再び大気の状態が不安定になり、雨が降る可能性もある。県は応急処置として、現状よりも川幅を確保するなどの対策を検討しており、週末までに作業を終える。梅雨入りを見据え、月内には川幅を元に戻す工事も完了させる。

 決壊の影響で周辺の民家12棟が浸水被害を受け、複数の車が土砂に埋もれた。県は「被災者や住民にはきめ細かく対応していきたい。今後の見通しや対策も丁寧に説明する」としている。(田中陽一、金 慶順)

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