江戸時代に大奥に献上され、将軍の正室も特別な日にまとったという染め物「高砂染(たかさごぞめ)」を復刻、PRしようと、ルーツとなる兵庫県高砂市で取り組みが進んでいる。地元の高砂神社では、復元した明治時代の高砂染の衣装を使った能を定期的に上演。6月には人気狂言師の野村萬斎さん(57)と、萬斎さんの長男裕基さん(23)を招いた舞台が実現する。「高砂染をまちの顔に」。関係者の思いは熱い。(笠原次郎)
高砂染の絹の反物は、姫路藩が江戸幕府に献上する高級品だったが、明治以降、庶民向けの木綿製が主流となって次第に衰退。昭和初期に製法が途絶え、現存品は少ない。
高砂染のデザインの骨格は「夫婦和合」の象徴として知られる同神社の「相生の松」。この松の精とされる老夫婦「尉(じょう)と姥(うば)」が手にする竹箒(たけぼうき)や熊手などの縁起物の図柄が、白抜きで松枝模様に重ねられる。
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江戸時代に高砂で染物屋を営んでいた尾崎家の17代目に当たる尾崎高弘さん(57)=加古川市=は、2017年から復刻に取り組む。自営業だが、新たに会社を立ち上げ本格的に活動。大奥に反物が献上されていたという史実に基づき、紫色の絹の上にチョウが舞う大奥仕様の着物を復元した。
同年に狂言に使われたという肩衣(かたぎぬ)とはかまがセットになった明治時代の高砂染の裃(かみしも)を入手し、20年に姫路市内で展示。それを知った、姫路藩のお抱え能楽師だった江崎家の第12代当主、江崎欽次朗さん(49)=姫路市飯田3=が「高砂神社の能舞台で、復元した衣装で演者が舞えば、高砂染の帰郷になる」と提案した。意気投合した2人は京都市内の専門業者の協力を受け、松枝模様の上に薄い黄色で松ぼっくりと竹箒を染め上げた衣装も復元した。
この衣装を使った能「高砂」の舞台を21年から年1回、同神社で開くなどして尾崎さんらは、高砂染の知名度アップを図ってきた。今回は、江崎さんの働きかけで、多忙な野村萬斎さんを招くことに成功。6月8日午後1時から、萬斎さんらが狂言のおめでたい演目「末広かり(すえひろがり)」を披露する。続く能「高砂」では、高砂染の衣装をまとった、萬斎さんの長男裕基さんが登場。「高砂浦の者」として、相生の松のめでたいゆえんを解説する。主人公・住吉明神と尉は、シテ方喜多流の大島輝久さん(47)が演じ、姉の衣恵(きぬえ)さん(48)が花を添える。全560席のチケットは完売した。
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尾崎さんは「能の演目と染め物の『高砂』が、発祥の高砂神社で一つになるこの上ない舞台。萬斎さんらが鮮やかに彩ってくださる」と喜ぶ。高砂染を全国に発信する機会にと意気込む江崎さんは「結婚式の新郎新婦が座る席は『高砂』。謡曲『高砂』もある。めでたい言葉に込められた思いが、この地から広がっていくきっかけになれば」と話す。
復元された高砂染の衣装は公演前日の6月7日まで、尾崎家ゆかりの染物屋を改装した古民家「高砂や」(高砂市高砂町鍛冶屋町)で展示される。大奥仕様の着物も見ることができる。入場無料。午前10時~午後5時。火曜休み。希望者は事前に尾崎さん(TEL090・3056・2344)まで申し込む。

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