1997年の神戸連続児童殺傷事件をはじめ、各地で重大少年事件の記録が廃棄されていた問題で、最高裁は25日、記者会見を開き、調査報告書を公表した。最高裁の小野寺真也総務局長は「最高裁による不適切な対応に起因する」と責任を認め、「後世に引き継ぐべき記録を多数失わせてしまったことを深く反省し、事件に関係する方々を含め国民におわびする」と謝罪した。
昨年10月に連続児童殺傷事件の全記録を神戸家裁が廃棄していたことが発覚したのをきっかけに、最高裁は有識者委員会(座長・梶木寿(ひさし)元広島高検検事長)を立ち上げ、少年事件の廃棄事案52件を含む計104件の裁判記録について廃棄や保存の経緯を調査した。
連続児童殺傷事件の記録は2011年2月に廃棄され、調査結果によると、当時の廃棄担当の管理職が、所長を含む複数の管理職に話をもちかけたものの、当時の家裁所長は、自身が特別保存(永久保存)を検討する立場にあるとの認識がなかったと指摘。管理職を含む多くの職員は特別保存が「例外中の例外」と考える中、廃棄担当は要件に該当しないと判断したと結論づけた。
一方で調査では、少年事件の廃棄経緯を類型化。廃棄された大半で、職員に重大事件の記録が保存されているとの認識も、廃棄の対象になっているとの認識もないまま処分されたという実態も明らかになった。
最高裁は、永久保存の制度があるのに、そうした「原則廃棄の考え方や永久保存への消極姿勢」が組織で醸成された背景も分析した。永久保存の対象例などを示した通達を出した1992年ごろ、記録庫のスペースを懸念し「永久保存記録の膨大化防止に取り組むべき」と周知した最高裁のメッセージの存在を挙げ、問題の要因になったと責任を認めた。
再発防止策としては、記録を「残す」意識を育む取り組みを重視する。記録が歴史的・社会的な意義を有する「国民の財産」であるという意識を共有する理念規定を設けるほか、最高裁に報道関係者や公文書管理の専門職アーキビストらで構成する常設の第三者委員会を置き、外部の意見を反映させる。
また、民事、家事、少年という事件の種別を問わず、国立公文書館への記録の移管を検討し、特別保存を認定するプロセスや基準を見直すなどとした。
会見で小野寺局長は、見直しが裁判所職員の意識変革につながるかと問われ、「変わっていくと思うし、変わっていかねばならない」と話した。また、神戸家裁の永井裕之所長は「当時の運用が不適切だった。厳粛に受け止めている」とのコメントを出した。
(霍見真一郎)
◇ ◇
【報告書のポイント】
最高裁が公表した事件記録廃棄問題のポイントは次の通り。
一、記録廃棄の問題は最高裁の不適切な対応が要因。後世に引き継ぐべき記録を多数失わせたことを謝罪。
一、特別保存の判断権限を持つ裁判所長の積極的関与がなく廃棄に至った点が共通する構図。
一、記録が歴史的、社会的意義を持つとの意識を共有するため、理念規定を追加。保存に向け常設の第三者委員会を設置。
一、民事、家事、少年を問わず、国立公文書館への移管を検討。
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