「起こるべくして起きた事態だ」-。マイナンバーカードを巡るトラブルが相次ぐ中、兵庫県内のある市役所職員は語った。政府はマイナポイント付与の「アメ」をぶら下げ、マイナカードの普及拡大を急いだが、市町の窓口にはオンラインの申請に不慣れな高齢者らが殺到。自治体の業務が追いつかない中で、トラブルを誘発する形になった。
最大2万円分のポイントが付与されるキャンペーンはもともと昨年9月末が締め切りだったが、その後、延長が繰り返された。紙の健康保険証を来秋で廃止する方針も打ち出された。
ポイントの受け取りは、キャッシュレス決済や健康保険証、公金受取口座とのひも付けが条件で、オンラインでの申請が必要。そのため、スタッフが手助けしてくれる自治体の窓口には行列ができた。
加西市では今年3月、別人にポイントが付与されるトラブルが発生した。同市によると、市が業務委託する支援員がパソコンを使って対応していたが、ログアウトしないまま次の人の申し込みを受け付けたためという。ポイントが付かなかった市民が申し出て発覚。市は総務省に相談したが、現状は再設定できず、いまだにポイントは付与されていない。
加古川市でも昨年8月、同様のトラブルが発生。担当者は「普段から待ち時間も長く、申請作業が追いついていなかった。作業に慣れていない職員が多く、ミスが起きた」と話す。
明石市では昨年8月、支援員が市民の意図に反して健康保険証をひも付けていた。すぐ気付いて国に取り消しを依頼したが、結果は「取り消せない」。理由も教えてもらえなかった。市民がその後、ひも付けを容認したためトラブルにはならなかったが、国の対応に不信感を募らせていたという。
ある市によれば、カード交付手続きやポイント申請支援の窓口は2~3時間待ちが常態化。職員は「手順に慣れたと思った直後に国からの指示が変更され、常に現場は混乱していた」と振り返る。
カードの交付率が94・3%(4月末時点)と全国で4番目に高い養父市。低所得世帯に3万円を給付する国の事業でもマイナカードの口座利用を検討中だが、相次ぐトラブルに心配が募る。同市社会福祉課は「できれば使いたいが、他人に振り込まないよう1件ずつ調べていくしかない」。
一方、国の周知不足もあって、マイナンバーと連携する公金受取口座を本人でなく、家族名義の口座で申請したケースが全国で約13万件あった。県内でも多くの人が誤登録している可能性がある。
西宮市の女性会社員(39)は2歳と5歳の子どもに家族名義の口座を登録していたが、本人名義に限られていることをニュースで知り、慌てて変更した。女性は「お金の管理は親がするので、正直面倒」と話す。
神戸学院大の中野雅至教授(行政学)は「目標設定の高さと急がせすぎたことが原因で、マネジメントに失敗している。紙の健康保険証を廃止する方針を発表すれば、高齢者が殺到するのは分かっていたはず。なぜ強引に進めたのか。内閣や担当大臣の責任が追及されるべきだ」と指摘した。(高田康夫、井川朋宏、久保田麻依子)
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