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全国学校給食牛乳マップ
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全国学校給食牛乳マップ
給食で創作童話「かなしきデブ猫ちゃん」のイラストが入った牛乳を飲む児童たち=灘の浜小学校
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給食で創作童話「かなしきデブ猫ちゃん」のイラストが入った牛乳を飲む児童たち=灘の浜小学校
全国の給食牛乳パックが一堂に会したJミルクのイベント(Jミルク提供)
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全国の給食牛乳パックが一堂に会したJミルクのイベント(Jミルク提供)

 「小学校の給食の牛乳といえば?」。地図制作会社「ゼンリン」が作成した「全国の給食牛乳マップ」が話題だ。ツイッター上で「あなたのまちの給食牛乳」を尋ねたところ、8千近い情報が集まった。マップを見ると、懐かしの牛乳が全国各地で名乗りを上げ、まるで戦国時代の勢力図のよう。そこで神戸新聞も独自に兵庫県版のマップを作ってみた。地域の特色やコロナ禍の影響がにじむ結果に-。(前川茂之)

■まるで「信長の野望」

 ゼンリンが、この取り組みを始めたのは2022年10月。以前に実施した「小学校の修学旅行先」に続く企画で、反響は大きく、全国のマップはほとんどがすぐに埋まった。牛乳が「群雄割拠」している風でもあり、歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」を重ね合わせる声もあった。

 マップは業界団体「Jミルク」のイベントにも貸し出され、全国の牛乳パックが一堂にそろう展示は大きな評判を呼んだ。現在も調査は続けているが、乳業メーカーや業界からは「大変参考になった」「生乳が廃棄の危機を迎える中、業界の一員としてお礼申し上げる」などの感謝の声が寄せられているという。

 Jミルクの担当者は「最初見た時は『やられた!』と思ったのが本音。業界でも大切にしている学校給食への牛乳供給が評価されているようでうれしい気持ち」とコメントしている。

   □   □

 せっかくなので、神戸新聞も兵庫県内の給食牛乳を調べてみた。ゼンリンが作成した地図では7業者が乱立していたが、実際に県や各市町の教育委員会、メーカーに聞いてみると、県内の小中学校で提供されている牛乳は5種類だった。

 シェアが最も高かったのは、共進牧場(神戸市中央区)の「共進牛乳」。兵庫県版のマップを見ても、同社の牧場がある小野市を中心に、北播磨から神戸市、姫路市西部、たつの市まで広く“勢力”を伸ばしているのが分かる。

 16市町に1日約17万本を提供し、県内小中学生の約4割をカバー。ちなみに、本紙連載中の創作童話「かなしきデブ猫ちゃん」のイラストが掲載されているのも共進牛乳だ。

 丹波地域を足がかりに、養父、朝来、豊岡市南部まで広く普及しているのは丹波乳業(丹波市)の「ひかみ牛乳」。提供数は1日当たり約3万本。丹波や但馬産の生乳を使用しており、味が濃いのが特徴という。

 神戸市西区から姫路市東部にかけては、大手の「雪印メグミルク」(東京都)が定着。他にも、赤穂市から新温泉町まで岡山、鳥取県との県境で提供されているほか、猪名川町、川西市でも使われており、1日当たり約11万本が子どもの元に届いている。

 阪神南部はほぼ「森永乳業」(東京都)が独占し、提供本数は1日約2万1千本以上。ただ、尼崎市だけは共進牛乳とひかみ牛乳が飛び地的に提供されていることが判明した。

 尼崎市教委に聞くと、2020年度まで地元の老舗「昭和乳業」が県内で唯一、瓶で牛乳を提供していたが、コロナ禍による一斉休校などで大打撃を受け、撤退。21年度から共進とひかみの2社が届けるようになったという。

 一方、淡路島は1983年から「淡路島牛乳」(南あわじ市)で統一されており、提供本数は1日当たり約1万本。なお姫路市の家島や坊勢島は「共進牛乳」だが、毎日搬送が難しいため、常温保存が可能な「ロングライフ牛乳」という種類を提供しているという。

 コロナ禍や飼料高騰で厳しい経営環境が続く各メーカーだが、「給食牛乳はどんな子にも等しく思い出がある。楽しみながら味わってほしい」と口をそろえている。

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