■兵庫大会 神港橘6-1関学
第1シードの関学が初戦で神港橘に屈した。元オリックスの水口栄二氏と元阪神の藪恵壹氏の息子がクリーンアップを形成したがいずれも無安打。観戦した父に白星を届けられず、4番の水口登間(とうま)主将は「自分が打てたらこんな苦しい展開にならなかった」と唇をかんだ。
帽子に刻んだ「会心の一撃」を見せられなかった。九回2死走者なし、水口のバットが空を切り試合終了。「悔いが残ってます」と3学年130人超の部員をまとめてきた背番号4は、試合後のミーティングであふれる涙を抑えきれなかった。
春の県大会後、左手首の負傷が発覚し、6月末に実戦復帰したばかり。父親譲りのバットコントロールが鳴りをひそめ「万全の状態に持っていけなかった」。この日も三回2死二塁の好機で中飛に打ち取られた。
マウンドにも上がった。五回途中から「もう1点もやれない」と中学3年以来の公式戦での登板。六回以降は一人も走者を出さず無失点に抑えたが、バットでは2三振を喫し、反撃の糸口を見つけられなかった。
「甲子園は遠かった」と水口。33年前に松山商(愛媛)の主将として夏に全国準優勝を果たした父と同じ舞台には立てなかった。外野席でメガホンをたたき、三男を見守った父の栄二氏は「高校3年間で人間的にも成長した。これで終わりじゃないと思うんで」とねぎらった。
昨夏を経験した3年生は自分一人。最後のミーティングでは、夏の大会を勝ち抜く厳しさを訴え、元阪神、藪恵壹氏の次男雅博ら出場した2年生4人に「中心となってチームを支えてほしい」と伝えた。「3番・右翼」で先発した藪雅博は「強さだけでなく、野球への姿勢も含め認められるようなチームをつくる」と涙を拭った。(尾藤央一)