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土壇場楽しめるから強い 明商野球、苦難乗り越え結実

2019.07.29 22:08
神戸国際大付-明石商 9回表明石商無死満塁、重宮が勝ち越しのスクイズを決める=ほっともっと神戸(撮影・後藤亮平)
神戸国際大付-明石商 9回表明石商無死満塁、重宮が勝ち越しのスクイズを決める=ほっともっと神戸(撮影・後藤亮平)

■兵庫大会 明石商4-1神戸国際大付

 土壇場を楽しめるからこそ、僕たちは強い-。1点を追う九回。打席には、怖いほどの笑みをたたえて大舞台を満喫する明石商ナインの姿があった。水上の適時打で同点とし、なおも無死満塁。「バントしかない」。3球目、やや高めに入った真っすぐを重宮主将が「待っていた」とサイン通りに転がして、三走中森が拳を突き上げながら本塁生還。「勝つなら食らいついて辛抱するパターンしかなかった」という狭間監督のプラン通り、貫き通した「明商野球」が結実した。

 夏までの道のりは決して平たんではなかった。選抜大会で創部初の4強へと躍進したチームは、直後の県大会3回戦で敗退。総勢111人の選手が夏のベンチ入りを懸けて競い合う一方で、練習中に愚痴をこぼす部員の姿に「気持ちが入っていない。毎日ただ練習をこなしているだけ」。練習後のグラウンドで、重宮主将が全部員を前に「キャプテンを辞めたい」と切り出したのは、6月上旬のことだ。

 大所帯がまとまるのは難しい。だからこそ、一枚岩になれば無敵だ。九回、主砲としてダメ押しの適時二塁打を放った副主将安藤が「重宮の一言で全員の心が切り替わった」と振り返れば、指揮官はスタンドで声をからした部員をたたえた。「お前ら、ありがとうな」。

 試合後、胴上げで宙に舞った重宮主将の言葉はどこまでも力強かった。「立て直したチームは強い」。舞台は整った。約5カ月ぶりの甲子園で、あとは暴れるだけだ。(長江優咲)

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