18日開幕の第95回選抜高校野球大会に、兵庫から出場する報徳と社の2選手には、新型コロナウイルス禍で甲子園大会が中止された世代の兄姉がいる。聖地を目指すことすらできなかったきょうだいは、夢をかなえた自慢の弟に「自分たちの分も楽しんで」とエールを送る。
報徳の宮本青空内野手(3年)の兄一輝さん(20)は3年前、東播磨で3年に進級する直前にコロナ禍が直撃。春の県大会は開かれず、練習も大きな制約を受けた。それでも「夏がある」と、主将としてチームの士気を下げないよう仲間と連絡を取り合い、自主練習に励んだ。
しかし、夏の甲子園や予選の兵庫大会も中止に。県独自の代替大会では投手、野手で同校初となる夏の県8強入りに貢献した。それでも「どこまで通用するのか試せないのが悔しい」と、憧れの地へ挑戦できなかった不遇に涙した。
弟に対しては「大会があることのありがたみを感じながらプレーしてほしい」と願う。
「家族の夢。うれし過ぎる」。社の合田華都内野手(3年)の出場を手放しで喜ぶのは姉桜菜さん(20)。自身は元マネジャー、兄の愛都さん(22)も甲子園を目標に白球を追った、同校の卒業生だ。
桜菜さんも高校最後の1年は公式戦がなくなり、選手同様にショックを受けた。大舞台にたどり着いた華都選手を「誰より努力する、自慢できる弟」とたたえ、「兄や私の分まで、笑顔で楽しんできて」と試合を心待ちにしている。