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第95回選抜高校野球大会は報徳の準優勝で幕を閉じた。兵庫県勢として21年ぶりの頂点こそ逃したが、準決勝で見せた「逆転の報徳」は多くの野球ファンを熱くした。振り返れば11年前、県勢初の21世紀枠で選抜出場を決めたのは淡路島の洲本だった。初戦で徳島県の鳴門と対戦し延長の末惜しくも敗れたが、島は盛り上がった。4番を打った飯田卓也さん(28)=兵庫県淡路市=はその後理学療法士となり、今月下旬から国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてモンゴルに派遣される。当時の思い出と支援に向かう心境を聞いた。(内田世紀)
「スタンドの声援がすごかったこと以外、ほとんど覚えてない」と笑う。第1打席は空振り三振。「バットにボールが当たった感触があったからファウルだと思った。審判を見たまま動かなかったら、ベンチの監督に『帰って来い』と怒鳴られて。その後の記憶は曖昧です」
旧北淡町(現淡路市)に生まれ、小学校で地元チームに入った。旧東浦町(同)出身のプロ野球阪神タイガース近本光司選手と同学年。小中学校のライバルとして何度も対戦した。
高校は洲本を選び、1年生から試合に出場した。2年生だった2011年の秋季大会、淡路地区で2位となり県大会へ進んだチームは破竹の快進撃を見せた。
強豪の市尼崎、神戸国際大付を連破し8強入り。三田松聖との準々決勝では飯田さんが決勝打を放ち4強入りを決めた。準決勝は報徳に敗れたが翌年の第84回大会に向け、21世紀枠での選出を大きく引き寄せた。
それまで3番だったが、鳴門戦で4番を任された。第2打席は無死一塁から併殺打。第3、4打席は得意のミート力で長短打を放ち4打数2安打の成績を残したが、試合後は「信頼に応えられなかった」と悔し涙を流した。試合のビデオは一度も見ていないという。
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高校卒業後は理学療法士を目指し、神戸の専門学校に進んだ。「野球を続ける選択肢はなかった。甲子園で燃え尽きたのかも」
けがに泣かされた経験から、選手をケアする裏方に回ろうと考えた。明石や神戸の病院に勤め、スポーツのリハビリなどに力を入れた。
転機は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行だった。日々の報道で、医療体制が整わず人材が足りていない開発途上国の実情を目の当たりにした。「自分にもできることがあるはず」。21年に仕事を辞め、語学習得など海外派遣に向けた準備を始めた。
モンゴルでは首都ウランバートルの総合病院に配属される。専門の知識や技術を現地スタッフに伝えるほか、患者へのリハビリ治療にも当たるという。
「医療だけでなく食文化や礼儀など、日本人の良いところも感じてもらいたい」と話す。派遣期間は今年4月から25年4月までの2年間。
「仲間との協調性や、我慢強く努力することの大切さを野球は教えてくれた」と飯田さん。「モンゴルの人たちの健康づくりに根気よく取り組みたい。いつか生まれ育った淡路島の役に立てるよう、しっかり成長して帰りたい」と抱負を語る。