サッカー天皇杯全日本選手権の初制覇から一夜明けた2日、Jリーグ1部(J1)ヴィッセル神戸の監督、選手らがメリケンパーク(神戸市中央区)であった優勝報告会に出席した。約3千人のサポーターが集まり、フィンク監督は「素晴らしいサポートで大きな目標を達成できた。神戸は日本で一番すてきな街で、ファンも日本一」と感謝した。
会場は海に面し、港に停泊中の船舶が汽笛を鳴らす中、開会した。ステージ上には、獲得したばかりの天皇杯が置かれ、光輝いていた。
あいさつに立った主将のMFイニエスタは「みんなにとって特別な日。このタイトルは成長するための一歩で、可能性はたくさん残っている」と強調。1日の決勝を最後に現役を引退したFWビジャは「この形でキャリアを終えられたことを喜んでいる。これからはファンとしてずっと応援したい。来年、タイトルを祝う時は、そっち(サポーター側)に立って祝いたい」と語り、拍手を一身に浴びた。
育成年代から生え抜きのFW小川は「(試合後は)あまり実感がわかなかったが、ここに立ち、すごく実感がわいている」と感慨深げ。クラブ目標のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇が懸かる来シーズンに向け「アジアで一番強いことを証明したい。力を貸してください」と呼び掛けた。
決勝で全2得点に絡み、初タイトル獲得の立役者になったFW藤本は、来季の四冠を宣言。「得点を取って、Jリーグも、ACLも、ルヴァンカップも、天皇杯も取るぞー」と叫び、サポーターの喝采を浴びた。
最後は、天皇杯を掲げるイニエスタを中心に記念撮影。サポーターとともに応援歌「神戸讃歌(さんか)」を歌い上げ、閉会した。(有島弘記)