丹波

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元空き家を改修してできた地域の交流拠点「本町の家」(中央)=丹波市青垣町佐治
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元空き家を改修してできた地域の交流拠点「本町の家」(中央)=丹波市青垣町佐治
略式代執行で除却された空き家=2021年5月31日、丹波市春日町古河
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略式代執行で除却された空き家=2021年5月31日、丹波市春日町古河
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 「一人娘には、家も田んぼも畑も相続放棄するよう言うとるんや」。農業を営む70代男性(兵庫県丹波市)が、ため息交じりに話す。祖父母の代からの一戸建てに、妻と2人暮らし。古い家屋を欲しがる人はいない。農地も「借りたい」という人はいても「買いたい」人は見つからない。「嫁いだ娘に負担をかけたくない」(真鍋 愛)

 人口減少に歯止めがかからない丹波地域。丹波篠山市の2018年の空き家率は15・9%(2960戸)、丹波市は16・8%(4470戸)。国の抽出調査のため、いずれも実数とは異なるが、県の空き家率(13・4%)を上回る。

 中でも老朽化が著しい空き家の対応に、自治体は頭を抱える。解体などに自治体が補助金を出す場合、国が半額を助成する制度があるものの、所有者への補助額は自治体によって差がある。丹波市都市住宅課の担当者は「解体、改修費を出せない所有者もいる。行政代執行になれば、費用は全部自治体の負担となる」。同市では代執行でこれまで4軒を撤去し、費用は計約1100万円。担当者は「少子高齢化が進めば、今後どれだけ増えていくのか…」と身構える。

    ◇

 市の空き家バンクなどを運営する一般社団法人Be(ビー)代表理事、中川ミミさん(40)は「空き家は状態が良いうちに、少しでも早く手放すほうがいい」と提案する。「大幅な補修が必要」と、ただし書きが付いた物件も少なくない。

 移住人気の高まりで、空き家バンクを通した成約数は年々増えている。ただ、賃貸や即入居可能な物件を希望する移住者と、傷んだ家屋を即売したい所有者とのミスマッチもまた、増加傾向にある。中川さんは「所有者には相談会などで早めの対策、決断が肝心と案内しているが、まだ浸透していない」と唇をかむ。

    ◇

 宿場町の面影を残す同市青垣町佐治。毎月第4日曜日、佐治の街中であるイベント「サジイチ」に、買い物客らが行き交う。空き家や空き店舗を改修した施設もある。

 主催するのは、同地区で空き家を活用したまちづくりを進めるNPO法人「佐治倶楽部(くらぶ)」だ。中心メンバーの出町慎さん(39)を含め3人の1級建築士が所属する。活動を始めた06年以降、地区内の4軒を交流施設などに改修した。6月には佐治地域自治協議会の委託を受け、移住や空き家などの相談に乗り出した。

 「空き家を交流拠点に改修し続けるのは限界がある」と、出町さん。そこで検討するのが、移住希望者向けの宿泊施設として改修し、得た資金を空き家対策に充てる事業だ。地区内の空き家と空き店舗を調べ、補修費を算出し、空き家バンクに情報提供する取り組みも予定している。

 出町さんは「個人的には『Go To』より、空き家をテレワーク施設に活用できるような予算が必要」と話す。「そもそも、空き家になる前に使える補助事業が少ない。人口減少や新築の税制優遇制度など、さまざまな要因が複雑に絡まっている。国が本腰を入れないと、問題は解決しない」

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