安全は築けるか ー検証・JR西日本
「売り上げの増加」「業務の効率化」「同業他社を凌(しの)ぐ」…。一九八七年、JR西日本が発足後、すぐに作成した経営理念には利益や効率を重視する言葉が並んだ。国鉄から民間企業へ。社員の意識改革を促すため、理念は名札の裏や給料袋にまで刷り込まれ、尼崎脱線事故が起きるまでは毎朝、職場ごとに唱和してきた。
今年三月二十二日。社長定例会見で山崎正夫が新しい経営理念を発表した。山崎は「旧理念を否定するものではない」と強調したが、効率化を示す言葉は消え、六項目の一番目に「安全」を掲げた。
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