シニア
「高齢夫婦の年金暮らしは月5万円の赤字」-。金融庁金融審議会の報告書が、先ごろ波紋を呼びました。後に撤回されましたが、老後の不安は相変わらず。とはいえ考え込んでも仕方ありません、ここは一つ前向きに。断捨離、懸賞、そして節約。コツコツとした毎日の積み重ねを楽しみながら、暮らしに潤いを添えている皆さんをご紹介します。
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ネットクイズにアンケート、新聞の感想文など、さまざまな公募企画や懸賞に応募し、現金や金券、ホテル宿泊券などを次々ゲット。神戸市西区の西谷保さん(67)は、この1年間で16件、約8万9千円分を稼いだ。「頑張って稼ごうというより、応募そのものが楽しく、遊んでいるような感じです」と屈託がない。
再雇用先を65歳で退職。「朝起きても出勤しなくてよくなった」と、空いた時間を使って応募を始めた。
利用しているケーブルテレビや神戸新聞ミントクラブなどが実施する会員限定のプレゼント。あるいは会員登録している旅行会社のキャンペーン。神戸市のネットモニターなど意見を募るものにも登録した。
興が乗れば数十件まとめて応募する日もある。2018年の秋以降、カタログギフト3千円分や缶ビール6本、ホテル宿泊券1万6千円分、プロ野球の無料招待券約1万2千円相当などを手に入れた。ほかにも神戸市のネットモニターでクオカード千円。新聞社が募る紙面への意見募集にネットや会場で記入して数千円…。「改めて計算して、こんなに貯まっていたのかと驚いた」と笑う。
当然、応募したすべてが当たるわけではない。昨年の応募総数はざっと2千件。当選確率は1%弱といったところか。しかし、「例えば温泉の御招待プレゼントに応募して外れても、優待券が送られていることがある。定額の6、7割で利用できるから、それはそれで使えます」と語る。
もともと「いろんなサービスをいかに安く、うまく使うか」を考えるのが好きな西谷さん。「日曜の夜ならホテルは空いていて、安くて狙い目。普段なら1万円ぐらいのパッケージを6千円で利用できる」。
月5万円はハードルが高いが、「ちりもつもれば-」。そして、「割引を駆使すれば-」。長寿社会を生き抜く“蓄え”になる。
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