「もっといっしょに」を合言葉に、神戸新聞社が取り組む主な事業を紹介します。子育て支援や見守り活動、地域課題の解決、防災・減災の呼び掛け。いずれも、地域の皆さまと連携して進めていきたいと思います。兵庫での暮らしが、より豊かに、安心で笑顔が絶えないものになるように-。「地域パートナー宣言」の精神を貫き、皆さまと知恵を持ち寄りたいと考えています。
▼地域共生
■課題解決へ共に考える 竹田城跡生かしまちづくり
地域パートナー宣言の理念を実践し、地域が抱えるさまざまな課題に地元の皆さまと共に向き合うのが、神戸新聞パートナーセンターが中心となって取り組んでいる「地域共生プロジェクト」です。
阪神・淡路大震災以降、私たち神戸新聞社は当事者として被災地復興に向き合い、被災した方々と歩んできました。その後、神戸連続児童殺傷事件や尼崎JR脱線事故など、兵庫県内で発生し全国を揺るがせた事件事故でも「この地域に生き続ける者」としての報道を貫いてきました。
その精神を深化させたい-。社員全員で考えた答えが「もっといっしょに」です。
さまざまな課題を報じることにとどまらず、解決するまで地元の方々と伴走します。地域社会の一員として、大学・学校、企業、行政などとの連携を図り、皆さまと一緒に課題に向き合い、解決を目指します。
プロジェクトの第1弾として、朝来市の竹田城跡を生かしたまちづくりが軌道に乗るよう協力していきます。
同市は人口減や少子高齢化など中山間地域に共通する問題に加え、「天空の城」として登城者が急増している国史跡・竹田城跡の史跡保存と観光振興の両立という課題にも直面しています。
年間2万人程度だった同城跡の年間登城者は昨年度、約60万人に増えました。一方で、竹田の旧城下町への入り込み客は少なく、地元への経済波及効果は不十分で、交通渋滞など負の影響も出ています。増加する空き家対策も急務です。
すでに神戸新聞社と朝来市は竹田城跡を生かしたまちづくりで連携していくことに合意しており、今後、登城者の旧城下町への誘導、空き家を改修した定住促進策など、さまざまな取り組みを通じて朝来市が「中山間地域の活性化モデル」となるよう協働していきます。
地域共生プロジェクトでは、朝来市以外の地域でも、創刊以来117年にわたって培ってきた情報発信力、取材力、多彩なネットワークを生かし、同じ地域社会の一員として一緒に考え、行動していきます。
▼ぼうさいマスター
■命守る知識、技能を継承 大学生中心にリーダー育成
大学生が主体となり、阪神・淡路大震災の記憶を語り継ぐ「117KOBEぼうさいマスタープロジェクト」を、昨秋から展開しています。震災を知らない若い世代に、災害への備えの大切さを学んでもらい、他の世代にも広げていくことが目的です。
元サッカー日本代表監督の岡田武史さんにプロジェクトアンバサダーを、「キャプテン翼」で有名な漫画家の高橋陽一さんにはプロジェクトサポーターを務めていただきました。
命を守る技能や知識を持ち、「いざという時」に率先して動ける人が多くいれば、それだけ災害に強い街になるとの思いから、防災リーダー的な人材である「ぼうさいマスター」の養成にも取り組んでいます。
昨年は300人を超えるぼうさいマスターが誕生しました。神戸市などの市民救命士講習Ⅰ(心肺蘇生)の受講とともに、ウェブ講義5講座を視聴することで認定しています。今年は、ぼうさいマスターの方々に、市民救命士のインストラクター資格取得も推奨していく予定です。
現在、6大学約40人の大学生が「117KOBEぼうさい委員会」メンバーとして活動しています。今春以降は参加大学数を増やし、より多くの学生に参加を呼びかけます。一般の若者や企業からの若手社員受け入れなど、委員会メンバーの拡充も検討しています。
今春以降に予定している主な活動としては、4月29日にポートアイランドで実施される震災の記憶をつなぐチャリティーライブ「COMIN’KOBE(カミングコウベ)」でのワークショップ▽神戸・ハーバーランドのカルメニ前や神戸市内のショッピングセンターなどでのワークショップ▽昨年も実施した避難所体験(一般参加も検討中)▽ぼうさいマスター養成に伴う市民救命士講習会-などがあります。
神戸新聞社でも、社員や販売店従業員が市民救命士講習会を受講し、安全安心面でもお役に立とうと考えています。
▼パートナーセンター
■大学、企業、行政…連携の窓口
神戸新聞パートナーセンターは「もっといっしょに」を基本理念として、3月に発足しました。
神戸新聞社は地域、団体、大学・学校、企業、行政などと連携を図り、同じ兵庫県に根差し、ともに生きるパートナーとして行動します。その連携の窓口となるのが、神戸新聞パートナーセンターです。
センターには、お客さま室、NIE推進室、地域連携室、マーケティング室があります。お客さま室は、紙面や事業に対するご意見を受け付け、社内見学や読者クラブ「ミントクラブ」の運営など、旧読者サポートセンターの業務を引き継いでいます。NIE推進室は、学校への記者派遣、新聞を教材として活用する活動を推進します。
地域連携室は、地域や団体、大学などと積極的に連携し、地元と一緒に課題に向き合う「地域共生プロジェクト」に取り組んでいます。マーケティング室は世の中の動きや各種データを調査・研究し、紙面や事業、新たなサービスに反映させていきます。
県内の企業と大学生とのマッチングを目指す「Mラボ」事業などに取り組む神戸新聞地域総研や、県、神戸市、神戸商工会議所、神戸新聞社の4者で構成する郷土振興調査会とも協力し、さまざまな事業を展開します。
2015/4/5