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高浜原発再稼働 被ばく、避難兵庫の備え

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 1月末、関西電力高浜原発3号機(福井県高浜町)が3年11カ月ぶりに再稼働した。「安全神話」が崩れた東京電力福島第1原発事故から約5年。いまだ事態が収束しない中、関電管内の「原発ゼロ」は約2年4カ月で終わった。

 高浜原発から兵庫県境まで最短でわずか40キロ。避難計画の策定が必要な30キロ圏からは外れるが、被ばくの可能性はゼロではない。

 兵庫県が2013年に公表した原発事故による放射性物質の拡散予測では、神戸市や丹波、但馬地域などで甲状腺被ばく線量が国際基準を超える想定もなされている。

 国などが策定した広域避難計画によると、兵庫県は京都府と福井県の約17万人を受け入れる。そのうち約94%が舞鶴若狭自動車道を通るという。渋滞や冬場に多い通行規制への対応も欠かせない。避難者の数だけが割り振られた形のある自治体の担当者は「まだ(受け入れ態勢の)綿密な計画があるわけでもない」とこぼす。

 原発再稼働で電力供給の改善が期待される一方で、安全に「絶対」はない。最悪の事態を想定した「備え」は緒に就いたばかり。多くの自治体は不安や課題を抱えながら向き合うことになる。(映像写真部 中西幸大)

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