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JR高架下 モトコー都市の断片

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 「ガタン、ゴトン」。時折、鉄路の響きが頭上から降ってくる。神戸・三宮の西。JR神戸線元町-神戸間の高架下約1・2キロにわたる通称“モトコー”を歩いた。

 正しくは「元町高架通商店街」といい、戦後の闇市が起源だ。トンネル状のたたずまいは、移り、変わる街並みとは一線を画す。重ねた時や古い記憶を色濃くとどめる。そんな独特の薫りに満ちた空間が今、存続の危機に揺れている。

 今春、土地を所有するJR西日本が、来年3月以降に進める予定の耐震化再整備案を明らかにした。300近い店舗をいったん退去させ、新築する建物に集約する-との内容。モトコーらしさを失いかねない計画に反対する商店主も多い。

 気ぜわしい師走。行く先が見えないミナト神戸の“異空間”は、やはり街の喧噪(けんそう)とは無縁のようだ。高架下に散らばった「都市の断片」を拾った。

(映像写真部 大山伸一郎)

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