写真集新着一覧

  • 印刷

鉱石の道「クリエイターツアー」 旧鉱山“聖地化”狙って

ログインすると拡大表示できます:ログインする

写真集一覧に戻る

 4月に文化庁の日本遺産に認定された兵庫県養父、朝来市の旧鉱山地域「鉱石の道」を、イラストレーターや漫画家、アニメやゲームの制作者など視覚表現に携わる人たちに紹介する「クリエイターツアー」がこのほどあった。鉱山の遺構が持つ重厚感や歴史の深さを体感して作品制作に生かしてもらい、それを見た多くのファンが訪れる“聖地”になれば、と地元関係者は思い描く。ツアーには東京や大阪、京都、大分などから17人が参加した。

 鉱石の道推進協議会(事務局・但馬県民局内)が初めて開催。生野鉱山、神子畑(みこばた)選鉱場、明延(あけのべ)鉱山の遺構を巡り、一般には非公開の場所も一部見学した。参加者は薄暗い坑道で「ここにキャラクターを置いたらいい感じかも」と盛り上がったり、雨漏りする建物の床に生えたコケにカメラを一斉に向けたり、感性を刺激された様子だった。

 「ゲームに使えそうな素材がいっぱい」とゲームプロデューサーの小嶋慎太郎さん。映像作家の岡田太一さんは「明治期の建物が写真映えする。この地域に竹田城以外にも魅力的な場所があることを知った」。3DCGイラストレーターのDeino(デイノ)さんは「視覚表現の仕事をする人は、SNS(会員制交流サイト)の読者が一般の人より格段に多い。『この場所いいよ』と発信するだけでも影響は大きい」と話す。

 推進協議会を担当する同県民局の三嶋良宜(よしのり)さんは「ゲームやアニメのファンなど、これまでとは違う層に『鉱石の道』をアピールしたい」と、表現者の発信力に期待を寄せる。(映像写真部・田中靖浩)

グループ