
戦後、焼け跡から立ち上がり、書籍の買い出しに向かう人たち(木村二朗さん提供)
1945(昭和20)年8月15日、約15年にわたる戦争は終わった。安藤佳陽子さん(85)=兵庫県明石市大久保町森田=は「庭の飛び石をポン、ポンと渡りながら、もう敵機は来ないと思って本当にうれしかった」と振り返る。
米軍機の襲来からは解放されたが、市に残る公文書は、市民の苦境と混乱が終戦後も長く続いたことを伝える。終戦の翌月以降、戦災に遭った人や海外からの引き揚げ者に対し、県や市は建材、毛布、衣類、湯たんぽなどを配給。だが食料や物資、電力不足は深刻で、節電の要請も継続された。
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