第5部 墓島の将校~ブーゲンビル島~
パプアニューギニアのブーゲンビル島は、日本から約5千キロ離れた赤道近くに浮かぶ。太平洋戦争の激戦地の一つで、かつてはボーゲンビル島と表記された。戦時中、日本軍の兵士は飢餓の島、ガダルカナル島を「餓島(がとう)」と呼んだように、ボーゲンビル島に「墓島(ぼとう)」の字を当てた。厚生労働省によると、この島で命を落とした日本兵は約3万3600人。文字通りの「墓の島」であった。シリーズ「戦争と人間」第5部は、陸軍少尉として墓島で戦った西宮市の遠藤毅さん(93)の体験を紹介する。(小川 晶)