新ひょうごの医療

がん治療や遺伝の専門家が集まり、パネル検査の結果を検証する会議「エキスパートパネル」=神戸市中央区楠町7(撮影・鈴木雅之)
そもそもがん細胞とは何か。神戸大病院の腫瘍・血液内科によると、体の正常な細胞の遺伝子が、たばこや紫外線、発がん性物質などで変異し、無秩序に増えるようになったものだという。細菌などの“外敵”と違い、元々自分の体の一部だっただけに、病気から体を守る免疫反応が働きにくくなってしまう。その結果がん細胞は正常な組織に入り込み、転移して増え続ける。重要な臓器を侵し、最後は死に至らしめる。
■分子標的薬
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- がんゲノム医療 本格化
2020/1/4~2020/1/4
がん細胞の遺伝子変異を調べて最適な薬を探す「がんゲノム医療」が、兵庫県内でも本格化している。昨年6月、遺伝子変異を調べる「パネル検査」が公的医療保険の適用対象となり、その後国が県内3カ所の拠点病院などを指定した。同検査で臨床試験(治験)申請につながるのは現状1割程度と過度な期待は禁物だが、がん治療の選択肢は増えた。2020年初回の「新・ひょうごの医療」は、患者に合わせた“テーラーメード”となり得る、がんゲノム医療の現状を取り上げる。

