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震災による看護師の精神面への影響について報告されたシンポジウム=神戸市中央区、県公館
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震災による看護師の精神面への影響について報告されたシンポジウム=神戸市中央区、県公館

震災による看護師の精神面への影響について報告されたシンポジウム=神戸市中央区、県公館

震災による看護師の精神面への影響について報告されたシンポジウム=神戸市中央区、県公館

 阪神・淡路大震災を経験した看護職員のうち、震災から十年を経た時点で心的外傷後ストレス障害(PTSD)で現れる症状の強い人が約15%に上っていたことが、兵庫県こころのケアセンター(神戸市中央区)の大沢智子主任研究員らの調査で分かった。悲惨な場面に数多く遭遇したり、悪条件下で救助活動を続けたりするなど、看護職員としての対処能力を超えた「惨事ストレス」が原因とみられる。

 災害時の救援者を対象に、精神面への長期的な影響を探った調査は例が少ない。同市中央区の県公館でこのほど開かれた「『こころのケア』シンポジウム」で、結果を報告した。

 それによると、「惨事ストレスを経験した」と答えたのは23・9%。震災で家族、友人を亡くしたのは、それぞれ1・8%と10・2%だった。震災による精神面の影響について、「別のことをしていても、頭から離れない」「思い出させるものには近寄らない」など二十二項目を質問したところ、14・8%の人がPTSDで現れる症状が強い、との結果が出た。とりわけ震災被害が大きかった神戸市立西市民病院(長田区)に勤務していた人に多かった。

 PTSDの症状は、被災者を対象にした同センターの調査でも、ほぼ同様の結果が出ているが、大沢研究員は「救援者は弱音をはきにくく、職場の上司の理解や仲間同士の支援が必要」と話す。

 調査は二〇〇五年三月、西市民病院と同市立中央市民病院(神戸市中央区)、西神戸医療センター(神戸市西区)に勤務する看護師、助産師らを対象に実施。七百六十六人から有効回答を得た。(石崎勝伸)

2006/10/22
 

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