■色あせず 被災者勇気づけ
阪神・淡路大震災で焼け野原となった神戸市長田区の旧菅原市場。2週間後の1995年1月31日、一角にあるがれきの上に、スイセンの花束がそっと置かれた。天皇陛下と被災地へ見舞いに訪れた皇后さまが手向けられた。
以来、スイセンは住民の心の支えに。市場跡に整備された公園は「すがはらすいせん公園」と名付けられ、花束のレリーフも設置された。実物は「被災者みんなへの贈り物」として永久保存の特殊加工が施され、神戸市にゆだねられた。
カップルや親子連れでにぎわう神戸市中央区の観光施設「神戸布引ハーブ園」。被災者を勇気づけた17本のスイセンが、今も枯れずに飾られている。
かれんな姿をとどめる花束。記憶の風化に耐えるように咲き続ける。平成の時代が終わろうとも、決して色あせずに。(大森 武)
=おわり=
2018/1/13









