西国三十三所巡礼25番札所で日本遺産、播州清水寺(兵庫県加東市平木)は節分の2月2日から、ヘビの抜け殻を納めたお守りを授与する。ヘビの抜け殻は、金運や福を招くとして財布に入れる風習があることから、お守りという新たな形に変えて提案。同寺は「御利益はもちろん、寺もユニークなことをすると知ってもらえる機会に」とする。
お守りはカード状で縦8センチ、横5センチ、薄さ約1ミリと財布に入れやすい大きさ。赤や黒、模様入りなど5種類ある。中央部に丸形、ひし形に納めた抜け殻が黄金色に輝く。
全国的にも珍しいお守りだけに、授与まで2年以上を要するなど開発は苦労の連続だった。制作には多くの抜け殻が必要だったが、寺の協力者の支援で、国内外の何十種ものヘビから集めることができた。
同寺の担当者は「抜け殻が破れないように、かつ、しわを取ってきれいに伸ばした状態で納めることが難しかった」と振り返る。京都市の業者と試行錯誤の末、特殊な液体でしわを伸ばし、金紙の上に張って完成させた。
正月に同寺で見本を参拝者らに見せたところ「かっこいい」などと好意的な感想が寄せられたという。
お守りは手作り。担当者は「風習を次代へつないでいくことは大切で、伝えやすいようにアレンジした。一度、手に取ってみてほしい」と話す。2千円。播州清水寺TEL0795・45・0025
(中西大二)
