節分を前に、兵庫県多可町八千代区中村の農産物加工・販売施設マイスター工房八千代は1日、名物の「天船巻きずし」作りで大忙しとなった。約60人が夜通しで約1万3千本を目標に巻いていく。
地球の公転周期の影響で、今年は124年ぶりに1日早く2日に節分を迎える。
週末には、店頭に客の長い行列ができる同施設。新型コロナウイルス感染症の拡大後は、予約制のみの販売に切り替えたほか、神戸や姫路、阪神間の百貨店への出荷量を増やすなどして対応してきた。
普段の10倍近くを生産する節分は、約4千本を外部で販売するが、店頭販売分の予約は、年明けの営業日2日間でほぼ完売。コロナ禍で地域住民に手伝ってもらうのはやめ、従業員の家族らだけに絞ったため、増産は断念した。
とはいえ、材料は米4600キロ、卵1万7550個、キュウリ6500本という大仕事。時折、休憩を挟みながら皆、せわしなく動き回る。藤原たか子施設長(73)は「節分はコロナ退散の願いに尽きる」としながら、「おいしさと笑顔のパワーを皆さんに届けたい」と話している。(長嶺麻子)
